信じる ページ32
ﾙﾊﾝ「まだ飲み終わってないじゃん。」
一気にﾐﾙｸﾃｨｰを飲み干すと、食器を下げ、店を出て歩き出す。
何も言わずついてくるｵｯﾊﾟ。
「ついてこないでください。」
ﾙﾊﾝ「やだ。」
諦めて、また歩き出す。
30分以上は歩いたところで、手首を掴まれた。
ﾙﾊﾝ「いつまで歩くつもり？」
「関係ないじゃないですか。」
ﾙﾊﾝ「関係なくないよ。」
「わたしに関わらないでください。」
ﾙﾊﾝ「嫌だ。」
そう言って腕を引っ張られると、そのまま抱き締められる。
「は、離して下さい！」
離れようと胸を押すが、離してくれない。
ﾙﾊﾝ「絶対離さない。…俺を信じて。」
「･･･信じる？」
ﾙﾊﾝ「そう。俺もAを信じるから。」
「…昨日会ったばっかの人をどうやって信じるんですか？」
ﾙﾊﾝ「時間の問題じゃないでしょ。信じる気持ちが大事なんだよ。」
「…無理です。」
ﾙﾊﾝ「…意地っ張り。」
い、意地っ張り？！
「どうでもいいから離してくださいよ！」
ﾙﾊﾝ「どうでもよくない。」
…どうしてよ…。
わたしなんかどうだっていいじゃない…。
ﾙﾊﾝ「俺らこれからずっと一緒に暮らしてくんだよ？そんな悲しいこと言わないでよ。」
「…離して…。」
ﾙﾊﾝ「まだ言う？！…もうこうなったら…」
「え？！ちょ！？」
突然抱き上げられる。
「お、おろして！」
ﾙﾊﾝ「俺を信じる気になったら下ろしてあげる。」
お姫様抱っこをして歩き出すｵｯﾊﾟ。
信じるなんて無理…。
きっといつかお母さんみたいに…
私の前から消えちゃうんだ。
信じるくらいならこのまま連れてかれたほうがいい。
何も言わずどんどん歩き続けると、大通りに出て、たくさんの人が私たちを見てる。
ど、どうしよう…
少し我慢してみるも、ざわつく人々の視線に耐えられなくなってきた。
「…わかったから…降ろして…。」
ﾙﾊﾝ「何がわかったの？」
「し、信じるから…」
ﾙﾊﾝ「本当に？」
ｺｸﾝと頷くと、ふわっと降ろしてくれる。
ﾙﾊﾝ「…なかなか言わないから、どうしようかと思ったじゃん。」
え？
よく見るとｵｯﾊﾟの顔は真っ赤だった。
「は、恥ずかしかったなら、やめてください。」
ﾙﾊﾝ「…でも言ったからね？俺を信じるって。」
「…。」
ﾙﾊﾝ「さ、帰ろ^^」
そう言って私の手をぎゅっと握り締めた。
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作者名：naka | 作成日時：2014年2月26日 20時
