2 ページ12
「…ったく、油断も隙もない」
「ちょ、智くんっ」
まだ文句を言いながら
ずんずんと進んでいく智くんは
俺の手首を離さない。
「翔くんも！
あんなのに ついてっちゃダメだかんね！」
「俺、別に…」
「だいたい翔くん、隙あり過ぎ！
もっと…」
パシッ。
痛いほどに捕まれていた その手を
力いっぱい振り払った。
「しょ…くん？」
びっくりしたように歩みを止めた智くんが、
やっと こちらに目を向ける。
俺のこと見もしないで。
言葉だって聞きもしないで。
一方的に がなり立てる その態度に。
ぶちり。
我慢が出来なくなった。
「俺、誘いに乗った覚えないけど」
じろり、睨みつけると。
さっきまでの威勢のよさは どこへやら
視線をキョロリと泳がせた。
「あ、や…」
「智くんが止めに来なくたって、
ほいほい飲みに行ったりなんかしないし！」
一度口を開いたら、
なんだか わかんない感情が煮えくり返って、
止まらなくなる。
「コスプレだって、仕事だからしてんの！
智くんみたいに、いかがわしい気持ちで
やってんじゃないんだからっ。
それとも何？
俺のこと、信用できないの！？」
「ち、違…っ。
しょ…」
「触んないで！」
近付いた距離を、思いきり避ける。
「智くん、いつもそうやって怒るけど、
俺、そんなに尻軽に見える？
簡単に他の人になびくように見える！？」
自分の言葉に。
哀しくて、腹立たしくて。
目頭が熱くなってくる。
「もう…いいっ。
信じれないなら、それでいいよ！
智くんなんか嫌い…っ」
「翔くん！！！」
涙が零れ落ちないよう、
きつく智くんを睨みつけて、
その場から、走り出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みど(プロフ) - さっちゃんさん» いつもコメありがとうございます(^ ^) ほんと社長 可愛かったですね！ 私も もっと見ていたかったです。 (2016年6月20日 17時) (
レス) id: 231ed147ce (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - みどさん、更新ありがとうございます。セカムズ 終わっちゃいましたね。可愛い社長をもう少しみたかったです。 (2016年6月19日 21時) (携帯から) (レス) id: d49252c781 (このIDを非表示/違反報告)
みど(プロフ) - まひろさん» ありがとうございます(^ ^) 智くんなら きっと、どんな翔ちゃんも受け止めてくれることでしょう♪ (2016年5月3日 18時) (レス) id: 231ed147ce (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - みどさん、かわいい嫉妬も全部受け止めてくれる智くん(*^^*)素敵なお話ありがとうございます。 (2016年5月1日 10時) (レス) id: 45d209a9ca (このIDを非表示/違反報告)
みど(プロフ) - 優子さん» ありがとうございます(^ ^) 可愛いしょーちゃんを楽しんでもらえて、嬉しいです♪ (2016年3月19日 21時) (レス) id: 231ed147ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：櫻みど
| 作成日時：2015年11月4日 18時
