不眠 〜sideN〜 ページ28
〜sideN〜
あれ以来、薬は俺が預かったまま。
一緒にベッドに入れば、眠れないことはなかった。
それを俺が崩したから…とにかく翔さんを眠らせてあげたかった。
薬と水を持って戻ると、翔さんは俯いていた。
「…ごめん、ニノ…」
俺が薬を許すなんて、思ってもいなかったんだろう。
「ごめん…」
隣りに腰かけても、まったく顔を上げてくれない。
「翔さん」
謝ってほしくなくて、やさしくやさしく声を掛ける。
薬を渡して、そっと髪を撫でると、ようやくちらりと目線を上げた。
「大丈夫だから。飲んで、寝よう？」
まだ少し怯えた瞳で薬を飲んだ翔さんを、ベッドに横たわらせ、手を握る。
背中を規則的にトントンとしていると、やっと翔さんが微睡み始めた。
ようやく寝息を立て始めた翔さんに安心して、俺もその隣で眠りに落ちた。
けど……。
「…はっ、…っ」
苦しそうな息遣いに、ぼんやりと意識が覚醒する。
「翔さん…？」
隣りを見ると、額に汗をびっしりかいた翔さんがうなされていて、思わず飛び起きた。
「翔さん。翔さん！」
肩を揺すっても、起きる気配はない。
「智く…っ」
宙に手を伸ばすから、慌ててそれを掴む。
トントンと、その手をなだめながら、言葉を選ぶ。
「…“翔くん”。ここにいるよ。ここに、いるからね」
わざと彼の声に似せて、耳元で囁く。
少しだけ息遣いが楽になったように見える。
何度も何度もその言葉を繰り返し、手を握り、抱き締める。
大野さんの代わりが出来るなんて、思ってないけど。
ちょっとだけでも、翔さんが楽になるように…。
薬を飲んでもこんなに眠れないくらい、もがき苦しんでたのに、
「大野さんと話せ」なんて不用意な発言をした自分が心底腹立たしい。
明日から翔さんは、俺の隣でちゃんと寝てくれるだろうか。
また眠れなくなったりしたら、俺は…どうしたらいいんだろう…。
ようやく穏やかになった翔さんの寝息を横に、今度は俺が眠れなくなっていた…。
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みど(プロフ) - *杏翔*さん» 現実を少し混ぜ込まないと、お話が浮かばないんですー（笑）もうちょっとしたら、移行しますね♪ (2014年4月10日 23時) (
レス) id: 46037abf0e (このIDを非表示/違反報告)
*杏翔*(プロフ) - みどさん» 更新ありがとうございます♪リアルだと実際なことも混じるんで裏ではこんな...って妄想できていいですね♪←はい、泣かせてもらいます（笑） (2014年4月5日 13時) (レス) id: ee80766446 (このIDを非表示/違反報告)
みど(プロフ) - *杏翔*さん» いつもありがとうございます♪杏翔さんを、また泣かせられるように、頑張りますね（笑）今日か明日には更新しますので、お待ちください（＾＾） (2014年4月4日 20時) (レス) id: 158d44c994 (このIDを非表示/違反報告)
*杏翔*(プロフ) - みどさん» そうなんですか！？でも、安心して泣いたくせに悲系好きなんで楽しみです（笑）続き楽しみ待ってます♪ (2014年4月2日 2時) (レス) id: ee80766446 (このIDを非表示/違反報告)
みど(プロフ) - *杏翔*さん» こんばんは（＾＾）泣いてもらえるなんて、光栄です！安心してもらえたところですが、翔ちゃんの不安をとりのぞくには、もう少しかかりそうです（笑）気長にお付き合いください（＾＾） (2014年4月1日 22時) (レス) id: 158d44c994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻みど
| 作成日時：2014年2月28日 23時
