唯一の常識人だと思ってた奴が実はヤバいやつで女だった。 (ページ2)

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一話ページ2

「A上等兵、部屋に入るぞ」

「ちょ、まってください」

そんな願いも聞き入れられず月島は部屋を開ける。

「む、、、胸！？」

「だから開けるなって言ったのに、、、まださらし巻いてないんですよ～」

半裸で胸を男に見られている状態なのに沢木はひょうひょうとした態度で話す。

「は、早く何か着ろ！」

襖が勢いよく閉められた。

「ええー、月島軍曹が入ってきたのに、、、」

ブーブー文句を言いながら着替えるAに月島は軽くパニックになっていた。

「もう良いですよー月島軍曹入ってください」

そう声をかけられ月島軍曹はAの部屋に入った。

「どういうつもりだA上等兵。ここは男所帯だぞ。というか女だったことも知らなかった」

「そりゃあ、言ってなかったですし知るわけないですよ。鶴見中尉にもまだ内緒なんです」

沢木A上等兵は隊の者と並んでも背が高い方に入り、確かに細身な方だったが筋肉程よくついていることから今まで女だったなんて全く気づかなかった。

「鶴見中尉にも内緒とはどういうことだA上等兵」

「まだ言うべきじゃないっていうかー恥ずかしいじゃないですか」

「さっきも言ったがここは男所帯なんだぞ万が一間違いがあったら面倒なことになる。鶴見中尉にご相談し判断を仰ぐことにする」

そう月島がいうとAの雰囲気は打って変わりまるで戦場にいるときのような緊張感が漂う。

「えー鶴見中尉にチクっちゃうんですか、、、そうですか。なら別にいいですけど。所で月島さん今度から夜道に気をつけた方がいいですよ。最近物騒ですからどこかの狂った隊士にブスッと斬られちゃったり、何処からか頭撃ち抜かれちゃったりするかもしれませんしね～」

A上等兵は狙撃の達人で現在の第7師団ではNo.2のの成績を持つものだった。それに第7師団に入るために昔剣術の大会で日本一になったこともあるとか。A上等兵のギラギラとした目にはそんなこともやりかねない。という危うさがあった。

「…………今のところは報告は見送っておく。だが何か問題が起こった時は何が何でも報告するからな」

「わーい月島軍曹大好きーこのことは月島軍曹と私の二人だけの秘密ですよ。」

月島はこくりと頷きAの部屋を後にした。