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プロローグ ページ1
寒い、つま先がが痛い…
はあ…と息を指先に吹きかけるも、感覚などとうの昔になくなり、赤く腫れていた。
吹雪が吹き荒れる真っ白い景色の中木の洞で身を縮める小さな黒い子狐。
親とはぐれたのか、はたまた群れから追い出されたのか、子狐の周りに仲間の姿はない。
「おかあさん……」
弱々しくつぶやくも、その声は吹雪にかき消され誰にも届かない。
眠れば死ぬ。誰にも教えられなくともそう自然に理解していた。
けれどもまぶたはだんだん重くなってきて、もうだめかと諦めかけたその時、目の前が急に暗くなった。
驚いて上を見上げると、そこにいたのは雪と同じように真っ白い髪の男だった。この吹雪だというのにその男は青い着流し１枚でそこに立っている。
「……生きとるか？」
そう言って男は子狐を抱き上げた。
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作者名：どり | 作成日時：2024年1月5日 21時
