【あんスタ】吸血鬼とシスター【朔間凛月】 (ページ39)

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episode38 ページ39

(どうして、こんなのが・・・)

パニック状態に陥りそうなのを必死に食い止めながら写真を見つめる
写真の真ん中には私、左側には服装的に凛月のものだと思われる腕がちょびっとだけ映されていた

端っこの方には撮られた日時などは表記されていない
だけど写真に映ってる私の服装と凛月の腕部分を見る限り、この写真は今日撮られたものだろう

(そんな！誰にも気付かれない様行ったのに！・・・まさか、あの時)

森に向かう最中、薄っすら背後から視線や気配の様なものを感じたが、気のせいだと思って相手にしなかった

だけどまさか、本当だったとは・・・迂闊だった
あの時、もっと気を付けながら向かっていれば、こんな事には・・・

真緒「なぁ、本当の事を話してくれよ」

『・・・』

真緒の真剣な瞳が私を見つめる
物的証拠を突きつけられた今、私が弁解する余地は何処にも無い

(どうしよう・・・)

その時

「どういう事か説明して、Aちゃん」

『叔母・・・様』

真緒の体の隙間から薄っすらと、扉の方に叔母様がいるのが見えた

『その・・・私』

何て説明すればいいの・・・
目尻から涙が溢れそうになった瞬間

ギュッ

『えっ』

突如、目の前にいた真緒が強く抱きしめてきた
彼は私を抱きしめると、肩口へ顔を埋めた

『真緒、どうしたの？』

突然の事で思考が停止する
数秒後、顔が真っ赤に染まっていくのを感じた

普段彼は抱き付いては来ない。むしろ逆だ
私が真緒に抱き着くのは過去に何回もあったが、彼が私に抱き付いた事なんて今まで1度も無かった

(ホントに、どうしちゃったの・・・？)

離れようと身をよじるが、離れようとする度腕の力が強まった
どうやら逃す気は無いらしい

真緒「頼むから」

『？』

真緒「ホントの事、言ってくれよ・・・」

真緒は更に抱きしめる力を強くした

(真緒・・・)

真緒「グスッ」

(えっ)

何だか嗚咽っぽいのが聞こえる。しかもちょっとだけど、体が震えてる。後肩の辺りが少し濡れてる気が・・・まさか

『もしかして、泣いてるの？』