最高の友人 ページ21
?? 「……城……月城!!!起きろ!」
A 「ん……あ……?」
?? 「随分気持ちよさそうに眠ってたなぁ……?」
A 「!?すみません!!」
千紘 「あはは!Aったら!声全然違うのに教授だと騙されてやんの!」
A 「……」
千紘 「にしても珍しいね!私でも起きてたのに!」
A 「全然自慢になってないわよ。」
最近眠れていない。
作詞作曲だけが理由ではない。
床につこうとすると過去の自分が囁くのだ。
何も変わっていないじゃない。
どれだけ取り繕ってもあの時のまんま。
ルーナ?笑わせないでよ。
大層かっこいい名前をつけたじゃないの。
でもね、あんたは一生月城Aなのよ!
毎晩毎晩そのようなことを言ってくる。
千紘 「……A今日バイトはある?」
A 「バイト?無いけど……」
千紘 「じゃあさ!カラオケ行こうよ!」
A 「嫌。私用事があるの。」
千紘 「いーから!!」
千紘は私の手を強引に掴んで、家の方向とは真逆の電車に乗り込んだ。
千紘 「大学生2人、2時間でお願いします!あ、ドリンクバーはアイスで。」
連れてこられたのはカラオケボックス。
A 「……1人で来ればいいじゃない。」
そんな私を後目に千紘は無言で曲を入れ始めた。
画面にはすとぷりのMVと『スキスキ星人』の文字が。
千紘 「ほら!早く歌って。」
マイクを強引に渡され、つい歌ってしまった。
千紘 「やっぱりAの歌うまい!!」
A 「……ありがとう。」
褒められるとやはり嬉しいものだ。
自然と顔が綻ぶ。
千紘 「私はAが何で悩んでるのか知らないけどさ、やっぱり歌ってるあんたが一番輝いてるよ。変なことで悩む暇あったら歌いなさいよ。」
私は忘れていた。
今まで一番大切にしていたことを忘れていた。
A 「何そのクサイセリフ。」
千紘 「はぁ!?人がせっかく励ましてやってんのに……」
最高の友達できちゃったね。
A 「さ、次これ歌お!」
千紘 「え〜、うっせぇわ?」
A 「いいじゃん。」
千紘 「まぁ、いいけど。」
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作者名:刹那夜 | 作成日時:2020年12月28日 1時