四季桜守 (ページ2)

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前章２ページ2

桜守の真の目的____。

それを今から教えると言って、先輩から電話が来たのはついさっきの事だ。

無理矢理起こされ、急いで準備をしたのだから、いつもきちんと結ぶはずのおさげも左右非対称になっている。

「先輩…。眠いです」

「眠い？もうそんなこと言ってられないよ！」

「え……？」

するといきなり、つむじ風が走る___。

「キャッ！」

反動で目をつぶった。

そして次に目を開けた時、目の前に未知の光景が広がっている____。

『サクラ……、サクラ……、オレノシキザクラ……』

(っ！？何なのこいつ！？)

ゲームでしか見たことがない。

うごめく声をあげるゾンビ？

「先輩！？これは何なんですか！？って……」

そこにいるのは先輩のようであって先輩ではない…。

着ている服がさっきと全く違う。

桃色の………まるで、その姿は魔法少女とでも言うのか…。

背丈はすらりと高くなり、ショートの髪も伸びて１つに結ばれていた。

見ていて少し痛々しいが、やっぱりそれを可愛いと思ってしまう。

「説明は後！いいから見ててっ！」

すると、華麗な身のこなしで化け物に立ち向かう。

その力の差は圧倒的だった。

『ギャーーーッ！』

化け物が何処かへ逃げていく。

「ハナ…先輩……？」

いつの間にか、先輩も元の姿に戻っていた。

「どうー？格好良かったでしょ？私も始めたばかりだからさ、まだ慣れてないんだけどねー」

驚きと、内心思う期待とで、今は声が出なかった。