四季桜守 (ページ1)

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前章１ページ1

校庭の隅に咲く、１本の大きなシキザクラ____。

今が丁度満開だ。

生徒会副を務める私は、会長のハナ先輩と並んでこの木を見上げていた。

シキザクラ_______それは春と秋の年に２回、淡い紅色の花を咲かせる。

私の通う中学校には、選ばれた３年生がその桜守を務める伝統があった。

(主に害虫の駆除とか肥料を与えたりするだけの簡単な仕事)

桜守は４人で構成されていて、彼らはその証として桜の模様が入ったバッチを付けている。

地味な仕事のはずなのに、印を持つ彼らは生き生きとしていて、なおかつ仕事に誇りを持っていて……。

そんな桜守に憧れていた私は生徒会に入った。

何故なら、桜守のリーダーは生徒会長が務めることになっているから！

「A。来年は会長やるでしょ？」

「はい！勿論です！この仕事をやりたい一心で、今まで頑張ってきたんですから！」

私はこれから一年かけて、桜について勉強して、残りの三人を探すことになる。

「良かった。じゃあ、まずは簡単な説明から___」

「って、あのぅ……先輩？」

「ん？何？」

「今さらですけど、何で今なんですか…？」

ただいまの時刻_________午前２時。

実を言うと、桜守にはもうひとつの仕事があった______。