想いの唄3rd

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#Sh51 side




ゴミ当番が何回か被る、明るくてたくさん話す女の子がいた


あっけらかんとしてて俺とは別のタイプ




人は自分に無いものに惹かれると言うが


俺にはその言葉がけっこう当てはまるらしい









『やぁ、上林の誠知君ではないか。ランニングですか？精が出ますな』



いつものランニングコースが工事で通れず


少し遠回りをしていたある日





後ろから並走してきていきなり声をかけられ


ふと足を止める



『ありゃ走っててよかったのに。なんだか悪いねぇ』




「……港、さん？」




『んだ、港みずほさんです。ゴミ当番でよく会う港みずほさんです』




「港さんもランニングするんだ」




『違うよ〜ハナビの散歩。急にハナビが走るから何かと思ったら上林の誠知君がいた』




「……そか」




『2年生なのに4番なんでしょ〜すごいね君』




「……あざっす」




『君の野球してる姿はかっこいいね、なんか映画の主役みたいだよ』




「……優勝しなきゃ、主役にはなれないよ」




『んーたしかに、優勝しなきゃ映画の主役にはなれないね
けど、“上林の誠知君の人生”って題の映画があったら主役は君だよ』




「……難しくて、分かんない」




『ははっ、私もよく分かんないや』







.
.
.



ケラケラ笑う彼女は、



よく分からない人かと思えば



意外とアホなとこもあって





あの日以来、彼女に会えるランニングコースに変え



学校でも見かければ話すようになった









今日のみずほも振られたと言う割には


けっこうあっけらかんとしているもんだから





やっぱり、よく分からない。





「まーまたいい出会いに期待しなよ、夏なんだしさ」



『んーそうだねぇ夏だもんねぇ
来週には上林の誠知君ラスト甲子園か』




「……甲子園でさ、ホームラン打ったら俺のこともちょっと考えてみてよ」




『…………！？えっ、ちょっ！？』



「まっそーゆーことだから。じゃね、ハナビ」




“えーーーー” なんてハナビに大声で騒ぐみずほを置いて



颯爽と走り出す





まだまだ終わらないこの夏は



シナリオのある映画なんかじゃない









俺の夏だ





FIN



Mrs.GREEN APPLE 青と夏



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

リクエストありがとうございました！

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遂に『想いの唄 3rd』です(TT)
たくさん書きたいのに文字数が_:(´ཀ`」 ∠):

…これからもよろしくお願いします！笑



デミ子

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