2話 ページ3
杏寿郎にそのことを知られてしまったのは、しのぶちゃんとの会話を聞かれたからである。
蝶屋敷でしのぶちゃんに診察を受けている最中で、特に警戒はしていなかった。
しのぶ「Aさん、今渡している睡眠薬の効力はどれくらいですか?」
貴「2日に1回使って、だいたい3〜4時間かな」
しのぶ「やはり、今の薬も耐性が出てきていますね。睡眠時間も短い・・・仕方ありません、もう少し強力なものを処方しましょう」
毎日使うとすぐに効かなくなってしまうため、2日に1回しか使っていなかった。
しかし今の薬を使っても段々睡眠時間が短くなっていき、しのぶちゃんの元へとやってきた。
やっぱりダメかぁ・・・3日に1回にしないといけないかな。
このままだと、仇を討つ前に睡眠薬が効かなくなって睡眠不足で死んでしまう。
睡眠薬に頼るのはできるだけ控えよう。
しのぶ「薬を作るのに時間がかかりますので、外で待っていてください。すぐに届けます」
貴「わかった。・・・しのぶちゃんありがとう」
しのぶ「くれぐれも無理はしないでください」
気を付ける、と言って診察室から出る。
後ろ手で扉を閉めると左に人が立っており、吃驚して振り向いた。
貴「き・・・杏寿郎」
杏寿郎は腕を組みながら壁にもたれており、少し怒っている様子だ。
こちらをチラリ、と見ると私の腕を引っ張って歩き始めた。
貴「ちょ・・・杏寿郎?」
掴まれた腕が、彼としては珍しく力が入り痛む。
あそこにいたってことは、聞かれたのだろうか。
ついたのは空いている病室で、肩を掴まれて無理やりベッドに座らされた。
杏寿郎「・・・いつから眠れない」
言い訳を許さないような、まっすぐな瞳がこちらを見る。
少しうつ向いて「・・・2年前から」と言うと、はぁ・・・と彼はため息をついた。
貴「ごめ、」
杏寿郎「別に怒っているわけではない。何故こんな大切なことを、俺に言ってくれなかったんだ?」
杏寿郎はそう言って、私の隣に座る。
貴「杏寿郎には、昔からお世話になりっぱなしだから・・・これ以上迷惑はかけられないと思って」
杏寿郎「俺は一度も迷惑だなんて思ったことはない。むしろ、頼られなかったことを残念に思っている」
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あ - 楽しみにしてます、もう更新していただけないのか寂しいです。。 (2020年11月4日 22時) (レス) id: 3b10379b4a (このIDを非表示/違反報告)
雰囲気ピーマン!(プロフ) - こちらも神作品……毎日更新でうずうずしてます、w更新頑張ってください! (2020年3月9日 12時) (レス) id: 90d8910699 (このIDを非表示/違反報告)
こよみ - すごく面白かったです!これからも楽しみにしています!!更新頑張ってください(^^) (2020年3月9日 10時) (レス) id: 63bb9bfc1b (このIDを非表示/違反報告)
あさひな(プロフ) - とっても面白いです!楽しみにしてます!!!! (2020年3月8日 23時) (レス) id: 6e085bbcde (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - とても面白かったです( ≧∀≦)ノ読みながらハッキョウしちゃた(゜゜;) (2020年3月8日 19時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みっど | 作成日時:2020年3月8日 19時