7話 ページ8
杏寿郎「君は何故、昔から宇髄や不死川などと仲が良い?
鬼殺隊であったことは聞いているが俺の記憶上、柱と仲が良かったメンバーの中に君はいない。
君が柱であったという可能性も0だ。もしや媚を売っているわけではあるまい?」
・・・俺たち柱にもう近づかないでくれ。君に好きだと言われるのも不快だ。
そう先ほど言われたことを思い出す。
今は放課後。
私より先に帰ろうとした杏寿郎は、突然くるりと振り返って言った。
どうやら、他の柱と仲良くしているのが気にくわなかったらしく。
私が恋人だった記憶がないならまだよかったが、存在が杏寿郎の記憶上にないため何も反論できない。
・・・媚を売っているように、見えてたんだ。
気持ちを伝えはじめて数週間。
記憶の片隅くらいには思い出してくれるかもしれない、と思ったけど駄目だった。
それから極力柱の人たちには近づかないようにしていたけど、気づいた天元がそうさせてくれず。
おいコラ、と言って空き時間に美術室へ呼び出された。
天元「まさか煉獄がそんなこと言うとはなぁ。もういっそのこと言ったらどうだ、煉獄とは前世恋人でしたってな」
貴「言っても信じてくれないよ。嘘をついてるって言われるのがオチだし」
そう言うと天元が静かになったため、不思議に思い視線を向けるとポカンとした表情をしていた。
天元「随分落ち着いてるな。あんなこと言われたってのに」
どうやら、泣いたり立ち直れなくなるんじゃないかと思われていたらしい。
泣かなかったといえば嘘になるけど、そこまで心に傷を負うことはなかった。
貴「前世では杏寿郎は短い人生で何もできなかっただろうし、私も幸せにしてあげることができなかった。
・・・杏寿郎に今の人生を幸せに過ごしてほしい。それで杏寿郎が幸せならいい」
私、自分が幸せになるより杏寿郎に幸せになってもらいたいから。
だからあまり悲しくないのかも、と言うと天元は表情を崩した。
天元「・・・お前のその自分より他人を優先するところは、長所であり短所だな」
煉獄にバレねぇように飲みに行くか。
天元はそう言って、私の頭を乱暴に掻き撫でた。
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ぱんだ - 初めまして。こちらのシリーズを最後まで読ませていただきました。とても面白くもっと読みたいと思う作品でした。続きがものすごく気になります。更新心待ちにしております。 (2021年1月3日 1時) (レス) id: 6b6d27c027 (このIDを非表示/違反報告)
りん - めっちゃ面白い!更新楽しみです(^^) (2020年11月2日 23時) (レス) id: 60e1efcd03 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 初めまして!このシリーズ大好きです!更新楽しみにしています! (2020年11月2日 23時) (レス) id: 119b179ca0 (このIDを非表示/違反報告)
は。 - はじめまして。このシリーズのはじめから一気読みしました。更新心待ちにしてます! (2020年10月20日 19時) (レス) id: 75b79383cd (このIDを非表示/違反報告)
yuu**(プロフ) - めちゃすき (2020年8月12日 19時) (レス) id: f0100ed200 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みっど | 作成日時:2020年2月16日 17時