45話 ページ45
――俺は君のことが好きだ。――
その言葉が頭の中で反芻する。
そっか、私のことが好きなのか・・・・
ん?わ、たし?
貴「へっ?」
杏寿郎「ははっ、顔が真っ赤だな!」
思いがけない杏寿郎の発言に、思わず間抜けな声を出してしまう。
ちょっと待て、落ち着け。杏寿郎はなんて言った?
混乱した頭を落ち着かせようと、頬を両手で覆う。
貴「じ、じゃあさっき言ったことって・・・」
杏寿郎「あぁ、全てAのことだ」
嘘でしょ、じゃあさっき自分に対して可愛らしい人だって思っちゃったってこと?
は、恥ずかしすぎる!!
火照った頬をごまかすように、覆っていた手でペチペチと叩く。
そんなことをしていると、杏寿郎は私の手に自身の手をゆっくりと重ねた。
吃驚して杏寿郎の方を見ると、まるで愛しいものを見るかのような目つきに心臓が高鳴る。
貴「私全然気が付かなかった・・・杏寿郎が私を好きだなんて」
杏寿郎「そうだな、かなり匂わせたつもりだったのだが。さすがに「毎日味噌汁を飲みたい」と言って伝わらなかったのは驚きだったな!」
貴「正直言うと、あの時勘違いしそうになったの。でもまさか本当にそういう意味だとは・・・!」
急に真剣な顔つきになった杏寿郎を見て、言葉が詰まる。
あ・・・なんとなくわかる。これは返事を聞こうとしているんだ。
杏寿郎「俺はAが好きだ。幼馴染としての愛情ではなく。Aは俺のことをどう思っている?ただの幼馴染か?」
只の幼馴染だなんて思っていない。
だって・・・
貴「杏寿郎に何年片思いしたと思ってるの。ただの幼馴染だなんて思ったことない」
ずっと好きだった――
そう言い終わる前に、ギュッと力強く抱きしめられる。
杏寿郎「・・・恋人としての、口づけをしてもよいだろうか」
貴「うん、もちろん」
そう言うと、どちらからともなく唇を合わせた。
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うりよ - ニヨニヨこの小説を読みながらニヨニヨしてたら父から叩かれました。(ノ#´Д`)イタイ (2020年3月19日 16時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
あん。(プロフ) - ニヤニヤがとまりません〜〜〜!!;; (2020年2月4日 23時) (レス) id: 4bcfa63d15 (このIDを非表示/違反報告)
麻婆豆腐 - 続きが気になります!おもしろくて前作含めて何周もしてます(^○^)更新頑張ってください! (2020年2月1日 12時) (レス) id: f6e05b3b11 (このIDを非表示/違反報告)
水人(プロフ) - 更新ありがとうござます!お話楽しみにしております^ ^ (2020年1月11日 19時) (レス) id: 82bf61e120 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - いつも楽しみにしています^ ^更新頑張って下さい! (2019年12月21日 1時) (レス) id: 00fbafc59a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みっど | 作成日時:2019年11月17日 9時