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35話 ページ35

貴「あのさ、杏寿郎」




杏寿郎「ん、何だ?」





貴「その・・・す・・・・」






言葉に詰まった私を見て、首をかしげる杏寿郎。






言え、九頭龍A。好き、この2文字を言うだけだ・・・・!!






貴「す、すごく美味しいね!近所の人からいただいた野菜」






杏寿郎「そうだな!」





しのぶちゃんに言われてから、毎回この調子だ。







杏寿郎が私の屋敷に来てくれるのは健在で、言う機会は何回でもあった。









だが、どうしても緊張してしまいその2文字が言えずにいる。






今のように、いいところまで行って怖気付いてしまうのだ。







きっと言える機会が多いから、次に言おうと甘えてしまっているのだと思う。








杏寿郎「だが、その良さを引き出せるのもAの料理の腕がいいからだな」







貴「う・・・あ、ありがとう」





いい女ならここで、「私の料理毎日食べる?」などとサラッと言えるものであると思う。









あいにく私は計算高いわけではないため、ただただ顔を真っ赤にして照れてしまうだけ。








杏寿郎は、そんなことを考えている私に気づくことなく目の前の料理を頬張っている。









杏寿郎「そうだ、実は先日の任務で酒を貰ったんだ。仲のいい女と飲んでくれと言われたのでな、このあとどうだ?」









それだ!と叫びそうになった口を慌てて閉じる。






どうして気づかなかったのだろうか。





お酒の力を借りたらいいじゃないか、と思いつつ「そうね」と返事をする。








こんなところで立ち止まってどうする、私。





貴「おつまみ切らせちゃってるから、買いに行かないと」






杏寿郎「そうか、ならば早く行かないと店が閉まってしまうな」








どの店で何を買おうか、と言いながらご飯を食べ進めていく。






だがあいにく、私は告白のことでそれどころではない。







ちゃんと酔えるだろうか、また直前になって言えなくなるだろうか。







そんなことばかりグルグル考えてしまう。






杏寿郎「A、具合でも悪いか?」







いつのまにか箸を持っていた手が止まっていたらしく、ボーッとしていた私に杏寿郎がそう言った。








貴「ううん、大丈夫」





もう決めた、何が何でも今日伝える。






そんなことを決心しながら、その時を待った。

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うりよ - ニヨニヨこの小説を読みながらニヨニヨしてたら父から叩かれました。(ノ#´Д`)イタイ (2020年3月19日 16時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
あん。(プロフ) - ニヤニヤがとまりません〜〜〜!!;; (2020年2月4日 23時) (レス) id: 4bcfa63d15 (このIDを非表示/違反報告)
麻婆豆腐 - 続きが気になります!おもしろくて前作含めて何周もしてます(^○^)更新頑張ってください! (2020年2月1日 12時) (レス) id: f6e05b3b11 (このIDを非表示/違反報告)
水人(プロフ) - 更新ありがとうござます!お話楽しみにしております^ ^ (2020年1月11日 19時) (レス) id: 82bf61e120 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - いつも楽しみにしています^ ^更新頑張って下さい! (2019年12月21日 1時) (レス) id: 00fbafc59a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みっど | 作成日時:2019年11月17日 9時

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