【鬼滅の刃】好きな人の恋人になりたいのですが【煉獄杏寿郎】

２９話 ページ29

貴「はーさっぱりした」





先ほど任務を終え、屋敷に帰ってくるなり汗を流すためにお風呂に入った。






手ぬぐいで濡れた髪を拭いていると、コンコン、と扉が叩かれていることに気づく。






貴「はーい、今行きます」




こんな時間に誰だろうか。




杏寿郎は任務だし、他の柱とも会う約束はしていない。




そんなことを疑問に思いつつ玄関に向かっていると、段々と叩く音が強くなってきていることに気づいた。









これは・・・・何となく誰かわかったかもしれない。





ガラガラと扉を開けると、案の定想像していた人物がそこに立っていた。






貴「鋼鐵塚さん。どうしました？」




鋼鐵塚「・・・風呂上がりか」




貴「そうですけど・・・」





平常心を装っているが、以前のことがあり少し気まずい。






お前に会いに来た、入らせろと言われたが少し悩む。





天元と杏寿郎に怒られるやつではないか。







どうしよう、これは・・・あげてもいいのだろうか。







そんなことを考えていると、すぐに了承しなかったことを不満に思ったのか、入ると言って強行突破されてしまった。




貴「もー鋼鐵塚さん！」




鋼鐵塚「ほらよ」





貴「えっ！？」







乱暴に包みを投げられ、慌てて受け止める。








危ないなこの人！！







少し彼を睨みつつ包みに目を向けると、とても見覚えのある包みの柄だった。









貴「これ・・・私が好きな漬物屋の・・・！」






鋼鐵塚「通行料だ。これで家にあげろ」







貴「う、・・・・わかりました」







簡単な奴だな、と自分でも思う。







でも好物を出されてしまっては勝てない。







ここはありがたく受け取ることにした。






貴「本当に私に会いに来たんですか？」







鋼鐵塚「さっきからそう言ってるだろうが」







貴「いや、刀鍛冶の里からわりと距離あると思いますけど・・・私に会いに来るためによく歩いてきましたね」

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