35話 ページ36
華「煉獄さんと過ごしていくうちに、もっと一緒に居たいって欲が出てしまって。それできっと、神様に怒られたんでしょうね」
貴「そんなことないです。我儘になったらいけない人なんていませんから」
私だって、周りの人に我儘を言ってたくさん迷惑をかけている。
華さんは、もっと羽を伸ばしてもいいはずだ。
華「・・・Aさんは本当に優しいです。優しいから、こうやって嘘をついてAさんを傷つけてしまっていたことを、心苦しく思っていました。」
貴「傷つけた?」
華さんにそんなことをされただろうか、と思い返すが思い当たることはなかった。
華さんはそんな私をみてふわりとほほ笑んだ。
華「Aさんは、煉獄さんに思いを寄せているんですよね」
貴「えっ!?」
驚いて目を見開く私を、華さんは面白そうに笑う。
これじゃ、肯定しているようなものだ。
華「やっぱりそうなんですね!すぐに気づいてました。Aさんの、煉獄さんを見る目がとても愛しいものを見る優しい目だったので・・・」
思わず顔が真っ赤になる。そんな目をしていたのか、恥ずかしい。
華「それでも、急に現れた婚約者という私を・・・友達と言ってくださって、楽しい日を過ごすことができました」
本当にありがとうございます、と言った華さんに思わず泣きそうになってしまう。
お礼を言うのはこちらの方なのに。
そんな私に気づいて、華さんは私の右手をギュッと握った。
華「山奥の屋敷に移るのは、もう少し先でしたが・・・この状態だと、数日中には移らないといけないですね」
貴「数日中・・・?」
別れがあまりにも早すぎる。
残り短い人生を、華さんは山奥で過ごすつもりなのか。
杏寿郎への思いがまだ残っているはずなのに、それを我慢するのか。
そんな思いが頭をめぐるが、本人には到底聞けない。
だが華さんは思いに敏感なのか、私が考えていることをわかっているようだった。
華「煉獄さんは、私に振り向いてくれませんでした。たった一度も。
本人には聞いていませんが、きっととても大切な思い人がいるんでしょうね。
だから私は、あきらめる決心がつきました。Aさん、煉獄さんと幸せになってください。
私、Aさんじゃないと煉獄さんと結ばれるの許しませんからね」
大正コソコソ噂話
華さんは、踏ん切りをつけるために杏寿郎さんから煉獄さんと呼び方を変えました。
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にんにく - 煉獄さんがしのぶのところに足を運んでいたのは、てっきり華さんが妊娠でもしてるのかと思ってました!でも読み返してみたら、2話でも華さんが簪を指しても「買ってあげよう」とは言ってませんし、伏線?が散りばめられていたんですね…。続編楽しみです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: 315083b1b9 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 初めてこんなに続編が気になる作品に出会えました。これからの進展がすごく気になります!続編もすぐ読ませてもらいます! (2019年11月17日 13時) (レス) id: d43f11df13 (このIDを非表示/違反報告)
中二病者です!(プロフ) - 次の作品も続編も楽しみに待っています!だけど、冬の季節になったので体調には十分気をつけてくださいね!更新楽しみにしています! (2019年11月17日 7時) (レス) id: ab06cdee91 (このIDを非表示/違反報告)
はず - 作者様…!とても気になります!読んでいてとても楽しいです。更新頑張ってください!応援してます!! (2019年11月16日 18時) (レス) id: 91e1062183 (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - おおお!!ついについに来るのか?来るべき時が来るのか?? (2019年11月16日 0時) (レス) id: 70d7a9e017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みっど | 作成日時:2019年11月3日 21時