【鬼滅の刃】好きな人に婚約者がいるのですが【煉獄杏寿郎】

１９話 ページ20

「コロス。刀ヲ折ルトハユルセナイ。覚悟シロ」


貴「ですよね」


筆で殴り書きされた手紙を見てそう言った。

起きるとすでに返事は来ており、よほど怒っているのがわかる。



貴「・・・ん？」


手紙の端をよく見ると、「鍔」と書かれている。


・・・・はっ！！


貴「しまった！」



手紙を送ることばかり考え、鍔を忘れていた。

でもこれを書いてくれたということは、打ってくれるということだろうか。



なんだかんだ優しいじゃん、鋼鐵塚さん。と少しニヤける。


「ちょっと困ります！勝手に入っちゃ！」


「うるせぇ！！さっさと行かせろ！！」


「他の人もいるので静かにしてくださいぃぃ」

ん？なんだか外が騒がしい。



というか今、鋼鐵塚さんの声が聞こえたような・・・


そんなことを思っていると、部屋の扉がピシャァンッ！！と勢いよく開いた。


鋼鐵塚「おいコラ九頭龍 A！！よくも折ったな・・・俺の刀をォ！！」



貴「ご、ごえんなふぁい・・・」



両頬をムギュッと掴まれ、謝罪の言葉は上手く出ない。

後ろでなほちゃんたちが、


「龍柱様は大けがをしているので、乱暴にしないでください！」

と必死に呼びかけ、ようやく私の状態に気が付いた。


鋼鐵塚「アン？？・・・大けがじゃねぇか」

貴「いや見れば分かりますよね？」


ハ？？？と言われたため黙る。怖い。


貴「あの・・・ごめんなさい。鋼鐵塚さんがもう私の刀を打たないというなら、それに従います。折ってしまったのは事実ですし・・・折角の刀を無駄にしてしまいましたから」



別の鍛冶師を見つけます、と言うと鋼鐵塚さんはおもむろに私の鍔を取り上げる。


貴「へ？？？」


そしてあろうことか、そのまま駆け出して帰ってしまった。



えと、これは・・・？？？


大正コソコソ噂話
Aは基本左利きですが、小さいころ両親に筆は右に矯正されています。右利きになるように矯正しようとしましたが、あまりの不器用さに両親は頭を抱え筆だけで諦めたそうです。しかし筆だけ右で書くのは気持ち悪いと思い、練習して左でも書けるようになりました。ちなみに綺麗に書けるのは左です。

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