4話 ページ5
貴「ふぅ・・・」
素振りを終え、額にかいた汗を手の甲で拭う。
これからゆっくりお風呂に入って、縁側で買っておいた漬物を食べて・・・
それで、とこれからの行動を頭で考えながらクルリと振り向くと、「A、終わったか!!」
と大声で言われた。
まさか人がいるとは思わず、大声で話しかけられたのも相まって「ひぃっ!!!」と情けない声を出してしまった。
貴「ちょっとびっくりしたじゃん!!というか、なんで人の家にいるの」
「ははは!すまないな!!」と笑い、胡坐の体勢から立ち上がった。
杏寿郎「手合わせしたくて仕方がないのでな、来てしまった!呼び鈴を鳴らしたのだが返事がないから、邪魔したのだ」
貴「空いた日にとは言ったけど・・・私もう自主練したし、動く気ないんだけど」
私がそう言うと、「ふむ・・・」と何やら考えるそぶりを見せる杏寿郎。
諦めてくれるか、と思ったその時。
「では、」と言われ目が真剣になったと思うと、「その気にさせるまでだ」といきなり手合わせが開始された。
貴「ちょ、っと!!それはずるい!」
いつのまに持っていたのか、杏寿郎の手にはしっかりと竹刀が握られている。
きっと私の所から拝借したのだろう。
しばらく竹刀がぶつかり合う音が響き、私は弾き返して距離を取った。
杏寿郎「やはり、左利きとやるとまた違うな!」
少し休憩しよう、と言った杏寿郎にげんなりする。
少しって・・・まだやる気なんじゃ・・・
そんなことを思いながら、2人並んで縁側に座った。
貴「はー、あっつ」
杏寿郎との手合わせでさらに汗をかいて、不快感が増す。
練習用の袴がじっとりしている。
少しでも涼もうと襟を持ってパタパタ仰いでいると、「む、」と杏寿郎から声が発せられた。
貴「??どうかした?」
杏寿郎はどこか言いづらそうにしたあと、「襟を」と口にした。
杏寿郎「襟を持って仰ぐと胸元が見えてしまう。男の前で安易にするものではない」
貴「・・・あ」
そ、っか。華さんはそんなことしないもんね。
襟をもって仰ぐなんて恥ずかしい、もっと女の子らしくしろ、と遠回しに言ってくれたのだろうか。
貴「うん、次から気を付ける」
そう言って少し落ち込むAは、横で顔を赤らめる煉獄に気づかなかった。
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にんにく - 煉獄さんがしのぶのところに足を運んでいたのは、てっきり華さんが妊娠でもしてるのかと思ってました!でも読み返してみたら、2話でも華さんが簪を指しても「買ってあげよう」とは言ってませんし、伏線?が散りばめられていたんですね…。続編楽しみです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: 315083b1b9 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 初めてこんなに続編が気になる作品に出会えました。これからの進展がすごく気になります!続編もすぐ読ませてもらいます! (2019年11月17日 13時) (レス) id: d43f11df13 (このIDを非表示/違反報告)
中二病者です!(プロフ) - 次の作品も続編も楽しみに待っています!だけど、冬の季節になったので体調には十分気をつけてくださいね!更新楽しみにしています! (2019年11月17日 7時) (レス) id: ab06cdee91 (このIDを非表示/違反報告)
はず - 作者様…!とても気になります!読んでいてとても楽しいです。更新頑張ってください!応援してます!! (2019年11月16日 18時) (レス) id: 91e1062183 (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - おおお!!ついについに来るのか?来るべき時が来るのか?? (2019年11月16日 0時) (レス) id: 70d7a9e017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みっど | 作成日時:2019年11月3日 21時