検索窓
今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:824,662 hit

4話 ページ5

貴「ふぅ・・・」


素振りを終え、額にかいた汗を手の甲で拭う。

これからゆっくりお風呂に入って、縁側で買っておいた漬物を食べて・・・
それで、とこれからの行動を頭で考えながらクルリと振り向くと、「A、終わったか!!」
と大声で言われた。


まさか人がいるとは思わず、大声で話しかけられたのも相まって「ひぃっ!!!」と情けない声を出してしまった。



貴「ちょっとびっくりしたじゃん!!というか、なんで人の家にいるの」

「ははは!すまないな!!」と笑い、胡坐の体勢から立ち上がった。


杏寿郎「手合わせしたくて仕方がないのでな、来てしまった!呼び鈴を鳴らしたのだが返事がないから、邪魔したのだ」
貴「空いた日にとは言ったけど・・・私もう自主練したし、動く気ないんだけど」



私がそう言うと、「ふむ・・・」と何やら考えるそぶりを見せる杏寿郎。


諦めてくれるか、と思ったその時。
「では、」と言われ目が真剣になったと思うと、「その気にさせるまでだ」といきなり手合わせが開始された。


貴「ちょ、っと!!それはずるい!」

いつのまに持っていたのか、杏寿郎の手にはしっかりと竹刀が握られている。


きっと私の所から拝借したのだろう。


しばらく竹刀がぶつかり合う音が響き、私は弾き返して距離を取った。

杏寿郎「やはり、左利きとやるとまた違うな!」


少し休憩しよう、と言った杏寿郎にげんなりする。

少しって・・・まだやる気なんじゃ・・・
そんなことを思いながら、2人並んで縁側に座った。


貴「はー、あっつ」

杏寿郎との手合わせでさらに汗をかいて、不快感が増す。

練習用の袴がじっとりしている。


少しでも涼もうと襟を持ってパタパタ仰いでいると、「む、」と杏寿郎から声が発せられた。


貴「??どうかした?」


杏寿郎はどこか言いづらそうにしたあと、「襟を」と口にした。


杏寿郎「襟を持って仰ぐと胸元が見えてしまう。男の前で安易にするものではない」

貴「・・・あ」
そ、っか。華さんはそんなことしないもんね。


襟をもって仰ぐなんて恥ずかしい、もっと女の子らしくしろ、と遠回しに言ってくれたのだろうか。


貴「うん、次から気を付ける」


そう言って少し落ち込むAは、横で顔を赤らめる煉獄に気づかなかった。

5話→←3話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (615 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1477人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

にんにく - 煉獄さんがしのぶのところに足を運んでいたのは、てっきり華さんが妊娠でもしてるのかと思ってました!でも読み返してみたら、2話でも華さんが簪を指しても「買ってあげよう」とは言ってませんし、伏線?が散りばめられていたんですね…。続編楽しみです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: 315083b1b9 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 初めてこんなに続編が気になる作品に出会えました。これからの進展がすごく気になります!続編もすぐ読ませてもらいます! (2019年11月17日 13時) (レス) id: d43f11df13 (このIDを非表示/違反報告)
中二病者です!(プロフ) - 次の作品も続編も楽しみに待っています!だけど、冬の季節になったので体調には十分気をつけてくださいね!更新楽しみにしています! (2019年11月17日 7時) (レス) id: ab06cdee91 (このIDを非表示/違反報告)
はず - 作者様…!とても気になります!読んでいてとても楽しいです。更新頑張ってください!応援してます!! (2019年11月16日 18時) (レス) id: 91e1062183 (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - おおお!!ついについに来るのか?来るべき時が来るのか?? (2019年11月16日 0時) (レス) id: 70d7a9e017 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みっど | 作成日時:2019年11月3日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。