きっとそれはこういう運命【鬼滅の刃】

49話 ページ49

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『お兄ちゃん！！』





「あれ？A、どうしたんだ？？」






善逸に背を押されて向かった先は炭治郎の教室で、いきなり現れた私に炭治郎が驚いている。







『その、お兄ちゃんに話しがあって』





「珍しいな。どうしたんだ？」





『えっと…あの…』






ちゃんとケジメをつけようと思って来たけど、いざ炭治郎を前にすると言葉が出てこなくなってしまった。




情けない…せっかく禰豆子や善逸が背中を押してくれたのに。







『…あ、お兄ちゃんそれ…』






ふと炭治郎の鞄が目についた。





「あぁこれか！せっかくAにもらったからあの日から付けてるんだ！！」






そこにあったのは無一郎と夢の国に行った時のお土産のキーホルダーだった。






「カナヲも喜んで付けてるぞ！」





そう、炭治郎とカナヲはペアのキーホルダーにしたんだ。






『そっか、嬉しいなぁ』






2人とも付けてくれて、喜んでくれてる姿が凄く嬉しく感じる。





昔だったらそんな事思いすらしなかったのに……






それくらい、私の中で炭治郎への気持ちが無くなって、無一郎への気持ちが大きくなったって事なんだろうな。








『…ねぇお兄ちゃん。私ね、お兄ちゃんの事大好きだよ』







ずっと、ずっと好きだったよ。







「どうしたんだ急に？俺もAの事が大好きだぞ！！」







その大好きが、特別な大好きになってほしいって思ってた。









『私の事、大事？』






「もちろん！！Aはずっと大事な妹だよ」







前だったら妹なんて言葉大嫌いだった。





聞く度にツラくて悲しくなった。









『ふふ、ありがとうお兄ちゃん』






でも、今はちっとも悲しくない。









「A、これからもどんな事があっても兄ちゃんが守ってやるからな！！」






昔言われたのと同じような言葉。







『っ…うん！頼りにしてるよ……お兄ちゃん(・・・・・)』








『うん！頼りにしてるよ、お兄ちゃん』








昔は気持ちを押し殺して返していた言葉に今は笑顔で返せる。








そうなれたのはたった一人の男の子から貰った深い愛のおかげだったんだ。







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