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44話 ページ44

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「君さ、Aに何言ったの?」




とある日の屋上、今日も今日とて僕の後をついて来た女子生徒に尋ねた。





この人が現れてから急にAの様子がおかしくなったからだ。






「えー?何も言ってないよー?」






絶対嘘だな。



だってAが急にあんな風になるなんておかしすぎる。




昔から感情的になったり、無鉄砲な所はある子だったけど大事な事を話す時は冷静になれる子だった。




だとしたら最近やたらと僕達の間に入ってくるこの人が原因としか考えられない。






「嘘言わなくていいよ。Aに何を言った?あの子に何をしたの?」






再度問い詰めたその時






「あれー?竈門さんだぁ!!」






あろうことか今この場に一番来てほしくない子が来てしまった。






「っA…」





Aの僕達を見る目が冷たく感じる。




やましい事はないんだけど気まずい、非常に。







「A待って」





踵を返して屋上を去って行く彼女を思わず追いかけた。



好きであの人といるなんて誤解されたらたまったもんじゃない。






『びっくりした…何?無一郎』





手を掴まれて振り返ったAは心なしか悲しそうな顔をしている。






「ごめん、でも誤解しないで。僕一人で屋上行こうとしたらあの子が勝手について来ただけだから」





『誤解するも何も…私にはもう関係ないよ』






彼女の口からは淡々と言葉が返ってくる。




でもさ、A





『私なんかよりあの子の方が絶対良いよ』





別れを切り出したのもAからだったのに何で…






「ねぇ、それってAの本心?」





『…本心だよ』





何で君はさ、






「じゃあさ、何で泣いてるの?」





そんな顔して泣いてるの?







『…泣いてない』





何で強がって僕から離れようとするの?






「A」






『っもうやめて…これ以上混乱させないで!』






そう言って僕の手を振り払って彼女は去って行った。






「(ダメだよA。そんな顔しちゃ…)」






去っていくAの背中を見つめる僕の口元はこの場に相応しくないくらい上がっていた気がする。






「…あーぁ、酷い男だな僕って。Aの事泣かせちゃったのにさ」







でもねA、その態度は期待しちゃうよ?






Aが僕の事で頭がいっぱいなんだって、そう思っても良いかな?







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(プロフ) - 澪凪さん» コメントありがとうございます!!!そう言って貰えて感無量です( ;∀;)今回のMVPは有一郎なんじゃないかって思ってます!!大好きって言ってもらえて本当に嬉しいです!!これからも頑張ります(≧∀≦) (2021年6月9日 0時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - ああああっ好きですっ!!てか有一郎!いいやつすぎる…!!大好きですこの作品も、蓮さんも!!頑張ってくださいっ!! (2021年6月8日 23時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 環さん» そう言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです(;ω;)最近更新が遅くて申し訳ないですホント…orzあと、恐らく50話に収まらないのでまた続編と言う形になりそうですが、最後までお付き合い頂けたら嬉しいです!!! (2021年6月6日 11時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ちょっ…!!むいくんカッコいいッ!!!蓮さん最高です大好きです大ファンです (2021年6月6日 8時) (レス) id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 環さん» 2人がこんなデートしてたら良いなって思って書きました(*´ω`*)場所は…夢の国です!(笑) (2021年5月11日 12時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年4月9日 22時

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