39話 ページ39
.
「竈門さん突然呼び出してごめんね?」
『はぁ……』
とある昼下がり、案の定私は例の女子に呼び出された。
「何で呼んだか分かるかな?」
『あ〜まぁ一応…無一郎の事でしょ?』
言っちゃなんだけどこういうのは慣れてる。
大正時代に散々他の女隊士たちにも、
「継子でもないのに霞柱様と一緒にいすぎなのよ!」
とか
「あんたみたいな子がなんで風柱様と仲良いのよ!」
とか
「音柱様があなたを4人目のお嫁さん候補にするって…一体どんな色目使ったの?」
こんな内容で散々呼び出されていた。
まぁ、正直全部知らんがな!って感じだよね。
実際無一郎とも他の柱ともそれなりに仲は良かったけど不死川さんにはただ追いかけ回されてただけだし、宇髄さんに至っては絶対に面白がってただけだ。
だから今回もきっとその類の話しだろう。
「それなら話が早いね!私、無一郎くんが好きなの。だから別れてくれるかな?」
ほらきた。
でもそう簡単に分かりましたなんて言うはずない。
『嫌です』
「なんで?」
『なんでって…』
「…私が見たところ、竈門さんって無一郎くんの事本気で好きじゃないよね?」
『…は?』
彼女の言葉にドキリとした。
「分かるよ、女の勘ってやつ」
すごいな女の勘。
無一郎のあの不機嫌そうな顔には気付かないのに。
「だからさ、無一郎くん私にちょうだい?」
『ちょうだいって…無一郎は物じゃないよ』
あ、この子苦手なタイプだわ。
なんか腹立つ。
「でも考えみてよ、私は彼を幸せに出来る。竈門さんと違って私は彼が好きだから」
『っ…』
その言葉を聞いて僅かに胸が痛くなった。
確かに私は炭治郎の事が好きだから無一郎の好きには答えられていない。
「ね?だからよく考えて、無一郎くんは誰と付き合った方が幸せなのかって」
もしかしたら私が離れた方が無一郎は幸せになれるのではないか…そう思ってしまった。
「ふふ、じゃあね竈門さん」
彼女は私の顔を見てニヤリと笑ってその場を去っていった。
『…どうすれば良いのよ』
始業のチャイムとスマホの通知音が鳴ったが私は暫くその場に座り込み頭を抱えた。
.
210人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蓮(プロフ) - 澪凪さん» コメントありがとうございます!!!そう言って貰えて感無量です( ;∀;)今回のMVPは有一郎なんじゃないかって思ってます!!大好きって言ってもらえて本当に嬉しいです!!これからも頑張ります(≧∀≦) (2021年6月9日 0時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - ああああっ好きですっ!!てか有一郎!いいやつすぎる…!!大好きですこの作品も、蓮さんも!!頑張ってくださいっ!! (2021年6月8日 23時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 環さん» そう言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです(;ω;)最近更新が遅くて申し訳ないですホント…orzあと、恐らく50話に収まらないのでまた続編と言う形になりそうですが、最後までお付き合い頂けたら嬉しいです!!! (2021年6月6日 11時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - ちょっ…!!むいくんカッコいいッ!!!蓮さん最高です大好きです大ファンです (2021年6月6日 8時) (レス) id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 環さん» 2人がこんなデートしてたら良いなって思って書きました(*´ω`*)場所は…夢の国です!(笑) (2021年5月11日 12時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蓮 | 作成日時:2021年4月9日 22時