2話 ページ2
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「それで、今回は何があったの?まぁ大体予想はつくけどね」
終わった後も尚動かずにベッドで蹲る私に時透が問う。
『…予想つくなら良いじゃん。聞かないでよ』
「大方、彼女とキスしてる現場でも見たとか?」
『っ!!』
「あれ、当たった?Aからキスを強請ってくるから珍しいと思って言ったんだけど」
図星を当てられてビクッと大袈裟に肩が跳ねるのを見て笑われる。
『笑い事じゃないし……色々な意味で結構ショックだったんだから』
「まぁそうだろうね」
未だに口元を押さえて笑う時透を横目で睨む。
「そんな怒らないでよ。水飲む?」
『…飲む』
「口移ししてあげようか?」
『いい、自分で飲めるよ』
「残念だなぁ」
軽口を叩く時透からペットボトルの水を受け取った時、私のスマホが軽快な音をたてる。
『…うわ』
確認するとメッセージアプリの通知
差出人は今一番見たくない名前の人物からだった。
「噂をすればなんとやらってやつだね。何だって?」
『今日の帰り時間と、帰る時は駅まで迎えに行った方が良いかの確認』
「相変わらず過保護だねぇ。可愛い妹が心配で仕方ないんだろうね」
過保護と言うかシスコンなんだよ。
高校生の妹なんて放って置けば良いのに。
その優しさがどれだけ辛いか、きっと本人は思いもすらしないだろうな。
『…心配なんて彼女と妹弟達だけにすれば良いのに』
「それはそれで悲しいんでしょ?Aはお兄さんが大好きなんだから」
そう言ってニヤリと笑う時透にうるさいと一言返す。
「で、どうするの。返事しないと電話かかってきそうじゃない?と言うか今日帰れるの?」
『無理。だから今日泊めてくれる?お母さん達には友達の所に泊まるって言うよ』
「もちろん良いけど…前もそれ使ってたよね?
そろそろバレないか心配なんだけど。ほら、鼻いいじゃん
炭治郎って」
時透が発した名前に思わず顔が歪む。
それは今一番聞きたくない名前。
私の兄の名前で
私の好きな人の名前だ。
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蓮(プロフ) - 澪凪さん» コメントありがとうございます!!!そう言って貰えて感無量です( ;∀;)今回のMVPは有一郎なんじゃないかって思ってます!!大好きって言ってもらえて本当に嬉しいです!!これからも頑張ります(≧∀≦) (2021年6月9日 0時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - ああああっ好きですっ!!てか有一郎!いいやつすぎる…!!大好きですこの作品も、蓮さんも!!頑張ってくださいっ!! (2021年6月8日 23時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 環さん» そう言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです(;ω;)最近更新が遅くて申し訳ないですホント…orzあと、恐らく50話に収まらないのでまた続編と言う形になりそうですが、最後までお付き合い頂けたら嬉しいです!!! (2021年6月6日 11時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - ちょっ…!!むいくんカッコいいッ!!!蓮さん最高です大好きです大ファンです (2021年6月6日 8時) (レス) id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 環さん» 2人がこんなデートしてたら良いなって思って書きました(*´ω`*)場所は…夢の国です!(笑) (2021年5月11日 12時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蓮 | 作成日時:2021年4月9日 22時