【鬼滅の刃】姉なるもの 参【竈門炭治郎】

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それから雨柱が元音柱の家に通い詰めているとしばらく隊士たちの間で噂になった

憶測は飛び交い音柱の４人目の嫁になったのでは
なんて言う人も


「Aが俺の嫁ェ？」

『らしいですよ』


しのぶちゃんから聞いた噂話を宇髄さんにもしてみると、彼は私のことを値踏みするようにジーと見て


「派手にねぇな お前は精々妹だ」


ハッ と笑い飛ばす


『私は長女です』


こちらだって願い下げ

私に旦那さんをとる暇なんてない


「…お前 少し変わった… いや、戻ったな」

『？ 何のことです？』

「三年前からお前 喜怒哀楽がスゲェ地味だった」


三年前、と言ったら家族が襲われた頃だろうか

表情はそんな乏しかっただろうか？

それに私はあの日から自分が変わったとも思わない


『そんなことないですよ
いつも通り 楽しく接していましたよ』

「表ではな だが心はそうじゃなかった」


そう言って私の左胸 今も脈打つ心臓を指差す


「いつも冷感しときながら何かに焦っている音がしていた」


音

そう言われて私はやはりピンっと来なかった

私には自分自身の音さえ聞こえなかったから


「だが今は…大丈夫そうだな
遊郭な時にも思ったが音が派手になってる

弟妹のおかげか？」

『…さぁ？ 私は変わっている気がしないので
でももし変わっているのなら弟妹だけじゃないです
しのぶちゃんとか義勇とか…私を支えてくれた人…

宇髄さんたちのおかげですね！』

「！ なんだ 可愛い事言うようになったじゃねーか」


ワシャワシャっと遠慮なしに私の頭を撫でて
乙女の髪を崩す宇髄さん


『髪がくずれますぅ』


ウリウリと楽しげに撫でる宇髄さんに強く出れず
払いのけるでも強くはなかった

すると外の襖から音もなく影が現れ雛鶴さんから「失礼します」と声がかかる

流石くノ一 だなと感心する

宇髄さんは「入れ」と指示するとゆっくりと襖が開き勢い良く須磨さんが私へと抱きつく


「ちょっ」

「Aちゃーん！ いらっしゃいっ」

「こらっ まきを！！」


私はそれを難なく受け止める

開いている襖の方を見ると声がした雛鶴さんとまきをさんが青筋を浮かしていた


『大丈夫ですよ まきをさん』


それにまぁまぁと心を宥めさせ
雛鶴さんが本題を切り出した


「休憩のお茶とお菓子を持ってきました」

『ありがとうございます！』


宇髄さんの所に戦術を学びに来ると
いつも休憩にお菓子とお茶が出てくる

お菓子は美味しく 密かに楽しみにしているのである

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