ST-02-【It doesn't understand, although loved】 (ページ25)

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見解ページ25

「……(人１)は理事官に、何について調べるか聞かされた？」

そう言えば……。

「聞かされて…無い……。」

「やっぱり……。」

翠は僅かに顔を顰(しか)めて溜め息を付いた。

「貴方達も聞かされて無いでしょ？」

「え…あ、はい…………。」

桃子さんが答えると、翠さんはチラリと赤城さんを見た。

「話せ。」

「信憑性は少ないわよ？」

「それでも良い。」

翠は私をじっと見つめると、やがて重々しげに口を開いた。

「少なくとも此れはかなりの極秘捜査。
松戸理事官すら知らない決定事項が上層部に有る筈。
そしてこの客船には相当裏で、何かやっているわ。」

「どうしてそう思う？」

「まず潜入捜査事態シークレットなのは理解してるわよね。
只でさえ連続暴行殺人事件で日本中が注目されてる中、警察が潜入捜査をしているのがバレてしまったら大混乱を招く恐れが考えられる。」

二つ目、と区切って翠は話続ける。

「松戸理事官は、何故この客船に潜入するのかを知らない可能性が高い。
口を滑らせて言ってしまう事を恐れてるみたいね………。
その事実が漏れれば私達がボイコットすると読んでいるみたい。」

「…百合根さんに対策室が捜査に加わる事になったのを伝えなかったのも……？」

「それは違うわ。」

え、と声を出そうとする前に翠が話を続けた。

「最後に、相当裏で何かやっていると思うのは何と無く理解出来るでしょう？
男女ペアって事は基本子供は駄目……、そして相当な費用になるこのクルーズ。」

「違法カジノ、脱法ハーブ、密輸、麻薬取引、ドラッグ、裏入学、………キリが無いね。」

「下手をすれば、何十億は下らない金が此処で動かされる事になりますね…。」

「本当はもう１つ話したい事が有るんだけど…それは本当に信憑性も何も無いから確かめてから話すわ。」

そう言って翠の話は終わった。
皆ホワイトボードを只何も言わずにジッと見つめている。

「……可能性は有る。」

「そう、…………あくまでも可能性。」

「どーする？お２人さんは信じる？信じない？」

牧村さんと桃子さんは顔を見合わせている。

「…元からSTと仕事をすると決まった時には腹を括ってる。
お前らの話を信じる、……最善の注意を払おう。」

桃子さんも隣で大きく頷いた。