君じゃなきゃダメなんだ…第3章 (ページ12)

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2人きりの空間。 +DHside ページ12

A『服、びしょびしょだし…少しだけ乾かして帰ってよ。』

そう言ったもののこの部屋に、現役アイドルを招きいれていいものか？(ーー;)

でもこのままだとドンヘが風邪をひく。

そう、事務所のいちスタッフとして、所属アーティストに風邪をひかすなんて絶対ダメ。

そう！私がこの部屋にドンヘを招き入れる事はけしてやましい気持ちではなく、、、

A『いたって事務所スタッフとして…』

DH『Aさん…なに、いってるの？Σ(＞ｏ＜ ) ﾍｯｸｼ！』

私ったら(ｰｰ;)

気が付かないうちに心の声がだだ漏れ。

A『あっ、ごめん。狭いところだけど…どうぞ』

成り行きでAさんの部屋に上がりこむ。
ここは完全にAさんのプライベートの空間。そこにいる自分が嬉しくて思わず口元が緩む。

A『ごめん…これ、ドライヤー。少しはこれで乾くかな？』

DH『ありがとう。あの～…』

A『なに？』

DH『いや、なんでもない…』自分で思ってる以上に緊張してる…

落ち着け～、俺…

A『あったかい物、用意するねっ、コーヒーでいい？』

さっきから口数の少ないドンヘ。

もしかして、その原因はこの2人きりの空間？

ここは私が普通にしてなきゃ…

普通。普通！

DH『はい、お願いします。』

いつものドンヘらしからぬ返答。

もしかしてドンヘも緊張してる？

いや、ないないない…

「みん彼」のドンヘがこれくらいで緊張するわけがない！

こういう風に女の子の部屋に上がりこむなんて、彼にとっては日常のはず！

私にとっては非日常だけど…(ーー;)

何か話さなきゃ！ドライヤーで乾かしてる間中、その事ばかりを考えて…

するとテーブルの上に無造作に置かれたマグカップ。

A『ミルク…用意してないんだけど…平気？』

DH『へっ？あっ、うん…』高まる鼓動…

気付かれないように、ひたすら、乾かす。乾かす。

するとAさんが、ここにきて初めて笑顔。

A『すごい必死じゃない(笑) コーヒー、冷めちゃうから…どうぞ』

Aさん、その笑顔…

この場面では…反則だよ。

必死に乾かしているドンヘの横顔が見たことないくらい焦ってて、ちょっとおかしくなった。

乾かしてるのも前の方ばっかりで後ろはいまだにがっつり濡れてるし…

トントンと肩を叩き、先にコーヒーを飲むように促して座り込む彼の後ろに廻り込み、

A『前は乾いたみたいだけど、後ろが全然乾いてないよ。もし熱かったら声をかけて…』