君じゃなきゃダメなんだ…第１章

澪さんがいなくなった日… ページ6

2人してしばしDVD鑑賞。
見終わった感想は…

澪「どうだった？」

澪さんの表情を見れば言いたい事はある程度想像がつく。

A「澪さんはあんまり楽しくなかったですか？」

澪「歌もメンバーも知らないからねっ(⌒-⌒; )」

A「確かに！(笑)でも私は結構楽しめましたよ。」

澪「そう？」

A「なんだろう〜？
見に行ってる人もきっと楽しんだと思うけど…
なにより本人達が一番楽しんでるように見えて、微笑ましくなっちゃいました。」

澪「そうね〜、確かに楽しそうだったわよね。
でもAちゃんが楽しかったって言ってくれてよかった…

無理に付き合わせちゃったから、気になってたの。」

こういうところ、やっぱり澪さんらしいなっ…って思った。

A「付き合わせられたなんて…
十分楽しめましたから〜
今度は東方神起でも見ちゃいます？(笑)」

澪「そうね〜、こういう息抜きもありかもねっ」そう言って笑ってた澪さん…

でも、、、

それから半年後…

重度の過労で呆気なく他界。

一緒にDVD見ようって約束も果たさないまま…



春の暖かい空気が漂い始めた4月の初め…

親しい人だけで行われた澪さんの告別式。

そこで見かけた澪さんのおもかげがある若い女性。

美優ちゃんの手を引いて、ただ呆然と立ちすくんでる。

間違いなく澪さんの妹さんだと直感した私は近づいて声をかける。

A「この度はご愁傷様でした。」

？「ありがとうございます」

その時隣にいた美優ちゃんが、

美優「Aちゃんだぁ〜(*^^*)」

私に気づいてくれた。

幼い美優ちゃんはまだ澪さんがいなくなった事実を本当の意味で受け入れてないようで…
その無邪気さが余計に胸が痛んだ。


その女性はやはり澪さんの妹さんだった。
名前は玲さん…

私と澪さんの事を話すと

玲「そうでしたか？私、何も知らなくて…ご挨拶が遅れて申し訳ありません。」

そう言うと深々と頭を下げた玲さん。

こんなに若いのに、ご両親を亡くしてる上にお姉さんまで失うなんて…

A「あの〜、立ち入った事を聞いて悪いんだけど…これから先、美優ちゃんと一緒に暮らされるんですか？」

すると玲さんが不安そうな表情で、

玲「実は孤児院に入れた方がいいって言われてるんですが、決心がつかなくて…」

孤児院？澪さんが命をすり減らしながら守ってきた美優ちゃんを？

そんなの絶対ない！

そう思った瞬間…

A「孤児院に入れるくらいなら、私に美優ちゃんをくれませんか？」

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