君じゃなきゃダメなんだ…第１章

仕事と語学研修。 ページ21

里佳子「何をためらう事があるの？」
一人で決め切れず里佳子に相談すると予想通りの答えがかえってきた。

里佳子「まって、まって、もしかして日本に未練を残す理由でもあるって事？」

考えこむ余地を与えない里佳子。

A「いや、そんな人はいないけど…」

里佳子「けど？けど、なによ。」

A「なによって…やっぱり外国で暮らすなんて勇気いるじゃん！
友達にも会えないし…

そ、そうよ。里佳子、あんたとも会えなくなるじゃん。」

里佳子「なに尻込みしてんのよ。Aらしくない。

それと私と会えない事を理由にしないでよ。

私達、そんなに頻繁に会ってないじゃん。」

A「確かに…そうだけど(−＿−；)」

里佳子「韓国なんてお隣さんじゃん(笑)

もし辛くなったとしてもSOSくれたらいつでも会いに行くし…
行きなよ！A。
せっかくのチャンスじゃない。」

そう言うと私の手をポンポンと叩く里佳子。

心のどこかで里佳子がこう言ってくれるのを望んでた？

私は誰かに背中を押してもらいたかっただけなのかも…

里佳子「ねっ、A…思い切り仕事、してきなさいよ。」



ミュージカルのスタッフ、キャストと一緒に中国入り。

私の隣で私の手を握ってブンブン振ってるのは、あの美優ちゃん。

キッズミュージカルと聞いてはいたけど…美優ちゃんと一緒だって思いもよらなかった。

キャストは日本のキッズ、韓国のキッズのダブルキャスト。

なんと美優ちゃんは日本側の主役、ドロシー役。

美優「ねっ、Aさん。美優ねっ、韓国語も中国語も少しだけど話せるようになったんだよ。」

自慢気に胸をはる美優ちゃん。

小さい子の脳みそは柔らかいからスポンジのように色々な事をすぐに吸収するんだろうなぁ〜。

キッズにはワールドワイドな活躍をと期待している事務所の戦略でダンスや歌と一緒に中国語、韓国語、英語まで習っている美優ちゃん達。

A「すごいねっ。私なんか韓国語を覚えるだけでも必死なのに…」

美優「毎日お勉強の時間があるの。
でも、机に座ってじゃなくて、そこにいるいろんな国の人とお話しするだけなの。

わかんない所はちゃんと日本語で教えてくれるから、覚えやすかった。」

美優ちゃんの得意はハングルだとか…

美優「いつかユノオッパやジュンスオッパとハングルでお話しするの。今から楽しみ〜(*^^*)」

そこでピンと閃いた。

A「私も美優ちゃんと一緒に韓国語を習ってもいいかな？」

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