あなたと夢を追いかけて〜第９章

敵？それとも… ページ36

瞳「トムさんも私もAの合格を信じて条件をのんだんだよ。」

瞳さんの真剣な眼差しに目をそらせない…

瞳「トムさんは最初のオーディションからA推しだったの。あの頃は色んなしがらみであんたを選ぶ事は出来なかったけど…

トムさんはA、あんたのその人を惹きつける才能を信じてる。きっと世界でも通用するってね。だからこそ、あんたにチームの未来を託したんじゃん。」

A「私の人を惹きつける才能？」

瞳「そう。自分じゃわからないかもしれないけど、あんたには自分のダンスの世界に見ている人を引き込む才能がある。

あんたのその才能にいち早く気付いたのはトムさんだけじゃないんだよ。

SMのお偉方もSuperJuniorのライブの時から何かと気にかけてたみたいだし…あんたの一番身近にいた唯や美樹もあんたのその才能は脅威だったはず…

唯はちゃんと自分の立ち位置を見極めてたみたいだけど、美樹は身近な人のその才能にかなり翻弄させられたみたいだけど…」

美樹ちゃんの過呼吸の原因は私？

A「瞳さん…」

瞳「今更気にする事じゃないわよ。美樹は美樹でちゃんと自分らしさを見つけてひとり立ちしたんだから…そして、ここからが重要なポイント！」

A「重要ポイント？」瞳さんが私の手を握る。

瞳「よぉ〜く考えて…SMさんがこの条件を提示してきたって事は、少なくともあんたの才能を認めてるって事じゃない。

一介のバックダンサーって思っていたらここであんたを切ってしまえば済む事。

それをあんたの才能を買ってるからこそ発奮させる材料としてチームとの契約問題を持ち出してきた…極め付けはユノとの事もAにとっては格好の餌になる訳でしょ？違う？」

前半の話しは大方理解できた。私の事をそこまで認めてくれてるトムさんやSMさんにはほんとに感謝してる。

でも条件としてもう一つあげられたユノとの連絡を一切断つ？

A「けど…どうしてユノとの連絡を一切絶たないといけないんですか？」今の私からユノとの関わりを排除したら、私はきっと一歩も動けなくなっちゃう。

瞳「今日、私とトムさんが話したリュウさんって人…

その人、Aとユノのこと別れさせようとして言ってるとは思えなかったんだ。

純粋にユノとAの事、どれくらいの気持ちの強さで繋がってるのかを知りたいだけなんじゃないかな？私の考え…甘いかな？」

私とユノの絆の強さを知るため？

ほんとにそうなのかな？

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