私と別れて… 辰哉side ページ10
あれは忘れもしない11月初め、くるみが７か月検診に行くというので専務の加藤さんに無理を言って一緒についていった・・・
待合室で３Ｄ写真を楽しみに待っていたら、
Ｎ「深澤さん、深澤さんのご主人いらっしゃいますかぁ〜？」って看護師さんから名前を呼ばれ、診察室へ…
そこにはベットに横たわって心配そうに超音波に映る赤ちゃんの姿を見つめてるくるみが…
先生「深澤さん、大変申し上げにくいのですが、、、こちらの画面で確認した限りでは赤ちゃんの心音が聞こえず、動きも止まっていて、子宮内で亡くなっているのではないかと思われます…」
「へっ？先生、どういうことですか？」
つい最近まで元気よく動いていて、俺が話しかけるとちゃんと反応もしてくれていた。
グルグルとよく動くので寝不足だよってくるみも嬉しそうにぼやいてたのに…
たった２．３日前のことだよ。
俺は頭が真っ白になって…
ベットに横たわっているくるみを見るともうすでに涙顔…
先生「悲しみの中、大変申し上げにくいのですが、深澤さんの場合、子宮内に出血が続いていることが先ほどの検査で確認されている為、妊婦さんの命だけでも救うため、今から緊急帝王切開を行いたいと思います。それでご主人に…」
一通りの説明を聞いているうちにくるみは貧血で意識を失い、すぐさま分部室へ運ばれた。
赤ちゃんだけでなく、くるみも奪われるなんて、、、絶対阻止しなければ…その思いだけだった。
「先生、くるみを、くるみを助けてください…」
無事、くるみの命は助かり１週間ほどして退院が許された。
身体は順調に回復していくのと反比例するかのように、くるみの心は病んでいきほとんど笑わなくなっていた。
俺は何と言って声をかけていいのかわからずに、夫婦間での会話も自然となくなっていった。
そしてくるみが退院して１か月ほどたったある日…
家に帰ると、くるみが自分の荷物をまとめていた。
流石にびっくりした俺は
「何やってるの？」
くるみが手を止めて振り返る。
くるみ「ふっか、私と別れてください…」
「はっ？なんで？なんで別れなきゃいけないの？」
くるみ「会社でも気を遣って、家に帰っても私がこんな風だから気を遣って、ふっかはいつ心を休めるの？
赤ちゃんさえ無事に生まれてたら…だけどその赤ちゃんも私のお腹の中で亡くなっちゃって…どうやって、私はふっかに償えばいい？教えてほしいよ。」
初めてくるみの弱さを目の当たりにした。
側にいてほしい （人2）・辰哉side→←会えなかった赤ちゃん （人8）side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みっきーまま
| 作成日時：2024年1月15日 23時
