彼の思いは絶対 涼太side ページ47
しの「でも彼女、お付き合いしてる人はいないって…あと今は彼氏はいらないって…
もしかして過去の恋人と関係あるんですか？」
前川さんの言葉に、ハッとした。
もしかして聖都の事を話すような間柄ではない？だとしたら、俺は大失敗したのかも…
「それは…」
少し口ごもると、前川さんがAちゃんの事を話し始めた。
しの「私、先週まで同じ会社で働いてたんです。
部署が同じで、同い年…仲良くなれるかなって思ったんだけど…
仕事面では誰とでもうまくやれてるんだけど、お昼休憩の時も一人だったし、変にプライベートに踏みこまないでっていうオーラが出てて…
あの日も私が無理に誘ったんです。
課内でやるはずだった送別会も丁重に断ってたから、せめて私だけでもって…」
「そうだったんですね…」
しの「もちろん、宮舘さんのお店に行きたいという不純な動機もあったんですけど…
一番は１年近く一緒に働いたのに、契約終了、『はい、お疲れさまでした！』って寂しすぎませんか？
縁があって一緒に仕事したのに…そのままお別れするのが忍びなくって…」
前川さん、あったかい人なんだなぁ〜…
でもAちゃんはどうしてそんなに人との関わりを持たないようにしてたんだろう？
前は人懐っこい笑顔で、いつも輪の中心にいる子だったのに…
やっぱり聖都の事が関係してる？
考え込んでしまってたら…
しの「宮舘さん、聞いてます？」って前川さんから突っ込まれてしまった。
「すみません、何でしたか？」
しの「だから、過去の恋人、そう宮舘さんの親友との間でなにかあったんですか？」
この件、俺が話してしまっていいことなのか？って迷ったけど…
今のAちゃんに必要なのは、前川さんのように積極的に関わろうとしてくれる友達なのかもしれないって思い、聖都とAちゃんとの事を全て話した。
しの「そんなことがあったんですね…
だから彼女はあえて自分から人と関わろうとしなかったんだ…
でも、それは間違ってると思うなっ。うん！間違ってますよね？宮舘さん…」
「あっ、え〜、そうですね…」
しの「彼の事を本当に愛していたのなら、彼の願い通りに幸せにならないと…
彼の思いが報われない。
死ぬ間際まで一緒にいたかっただろうに…それをAちゃんの為にしなかった。
そんなに愛されていたのなら、亡くなった彼の思いは絶対にかなえなきゃ！
幸せにならなきゃだめです！！」
その言葉にすごく胸が熱くなった。
マブダチ （人7）side→←昔の恋人＝親友 （人7）side
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作者名：みっきーまま
| 作成日時：2024年1月15日 23時
