待ってるから… 亮平side ページ45
− 亮平 −
無事に手術を受ける事を決意してくれた亜美
会えなかった３年を埋めるように、手術室に入るまでずっと手を握っていた俺・・・
手術室に入る前に
「待ってる・・・」って一言だけ告げると、俺の手を一瞬ぎゅっと握って頷いてくれた。
そしてAが声をかける。
A「亜美ちゃん、頑張ってねっ…」
すると、にっこり微笑んで
亜美「Aちゃん、ありがとう。もう一度、亮平さんに逢わせてくれて…」
初めて亮平さんって名前で呼んでくれた。
でも・・・やっぱり"さん"付け。こういうところ亜美らしいなっ…
そんな事を思いながら、手術室に入っていく亜美を見送った。
すると俺の横にいた、Aが脇腹をツンツン
A「なにニヤニヤしてんの？」
「してないよ、ニヤニヤなんて…」
気持ちを見透かされたようで気恥ずかしい。
A「でもすごかったよねっ。亜美ちゃんのお母さんの前で思いのたけを告白した途端に熱い抱擁だもん。
びっくりしちゃったよ。」
そう言いながら亜美のお母さんに軽く会釈したA。
あっ！そうだった!!
「あ〜、俺としたことが、亜美のお母さんの前で亜美を抱きしめるなんて…
巻き戻せるなら、俺の気持ちをちゃんと伝えられたあの時点まで巻き戻したいよ。」
A「巻き戻したとしても、あの時の亮ちゃんなら、何度でも亜美ちゃんを抱きしめていたと思うよ。
でもそんな亮ちゃん、最高にかっこいいよ」
そういうと親指を立てるポーズ。
「そうだなっ、思い返せば恥ずかしいけど、あれでよかったんだよなっ。」
A「あれがよかったんだよ。亜美ちゃんも亮ちゃんが待ってくれてるって思ったら、頑張れるんじゃない。」
そういうと少し寂しそうな顔をしたA。
きっと自分の事と重ねてたしまったんだなっ。
Aが俺にガツンと言ってくれなかったら、俺はAと同じ虚無感を感じていたのかもしれないと思うと…
無性にAに伝えておきたい言葉が…
「A…ありがとう。」
A「どうしたの？急に…」
「Aが亜美の事、ちゃんと伝えてくれたから、俺は亜美に自分の思いをちゃんと言葉にして伝える事ができた。」
A「よかったぁ〜… 亮ちゃんには私みたいな思い、してほしくなかったからねっ。」
そういうと少し涙ぐんでいるように見えたA
「大丈夫だよ。Aにもきっと現れるよ。
そのまんまのAを愛してくれる人が…」
昔の恋人＝親友 （人7）side→←生きる選択をしてほしい +（人6）side
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作者名：みっきーまま
| 作成日時：2024年1月15日 23時
