俺じゃダメですか？ 蓮side ページ39
１時間ほどして、昌也が気を利かせて…
JS「そろそろ、帰るか…ほら、慎太郎も大橋もその辺でおしまいなっ。」
SM「え〜っ、まだ飲み足りないっすよ。」
なんて言ってる慎太郎の首根っこを引っ張りながら、昌也と大橋と３人帰って行った。
A「めめは一緒じゃなくてよかったの？」
本気で聞いてる？歓迎会がしたくて呼び出した訳じゃないよ。
「すみません…ほんとは２人だけでちゃんと話したくて、わざわざ来てもらったのに…
急にあいつらが乱入しちゃって…」
A「ううん、別にいいけど…話って何？」
俺の目の前のAさんはあの頃と何も変わっておらず、俺が恋焦がれていたあの時のまま…
「一緒に行きたいところがあるんですけど、付き合ってもらえますか？」
A「今から？」
「はい、ダメですか？」
A「ダメじゃないけど…会社の近くは…」
「会社の近くじゃないですよ(笑)」
Aさんと２人してタクシーに乗り込む。
行先はあのグラウンド…今は夜間も練習できるようにとライトが完備されていた。
A「ここは…」
「あのグラウンドです。俺とAさんが最後に会ったあのグラウンド…」
A「待って！運転手さん、ここで止めてください。」
「Aさん？」
A「ごめんね、めめ。私、まだあのグラウンドにいける自信がないんだ。」
「やっぱりまだ聖都さんのこと…」
A「ごめんね…私、ここで降りるね。」
「運転手さん、ここでおろしてもらえますか？」
俺とAさんはグラウンド近くの公園前でタクシーを降りた。
「この公園なら大丈夫ですか？」
A「ここでの思い出もたくさんあるんだけど、あのグラウンドよりはましかなっ…」
そういうとブランコに腰掛け寂しそうに笑った。
「やっぱりAさんの中で聖都さんはまだ生きているんですね…」
A「なんでそんな確認を…」
「俺じゃ、俺じゃダメですか？俺じゃ聖都さんの代わりになれませんか？
中学生だったあの時、俺はAさんに密かに憧れてた。
そして高校生になって、彼女のふりをしてもらった時…それが恋に変わった。
でもすでにAさんの視線はずっと聖都さんで、俺は諦めるしかなかった。
だけど好きという気持ちはすぐに消えてなくなるものではなくて…
そんな時、聖都さんの訃報を聞いて…もちろん俺も聖都さんが亡くなったショックはすごくて…
でもそれ以上にAさんの気持ちを考えると胸が張り裂けそうになりました。」
運命みたい +ラウールside→←２人のはずじゃ… +蓮side
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作者名：みっきーまま
| 作成日時：2024年1月15日 23時
