秘書課…中村さん ページ35
20分程経っただろうか、、、綺麗な女性が入口付近でキョロキョロと誰かを探してる様子。
もしかして、秘書課の人かな？
少し視線を向けると、軽く会釈をした。
中村「あの〜、もしかして古川さんですか？」
「はい、古川 Aです。よろしくお願いします。」
中村「こちらこそ、急にこんな事お願いしちゃって…
私は秘書課の中村ゆりかです。よろしくお願いします。
早速なんですが、よろしいですか？」
そう言われて席を立つ。
ちょっと長めの廊下で少しだけお話しを…
中村「古川さんは今日からですか？」
「あっ、今日が初日です。」
中村「うちは適齢期の男性社員が多いから、古川さんみたいにかわいいと狙われちゃうかも。気をつけてくださいねっ…」
なんとなく棘がある言葉、、、だけど私も社会人６年目だから、これくらいのジャブはかわしますけどねっ。
「そんな事ないですよ。中村さんこそ、お綺麗だから大変なんじゃないですか？」
すると前を歩いていた中村さんが急に振り返り、
中村「入社して３年も経てば、かわし方も覚えましたし、私、狙ってる人いるんで…他の方のお誘いはきっぱりお断りしてるんです。」
え〜っ！お綺麗で、は認めちゃう感じなんですね。
参りました〜！
「へぇ〜、そうなんですね。」
中村「あと、私から一つご忠告しちゃいますね。
企画部の佐藤さんと松村さん、あと海外事業部の京本さんにはいろんな意味で気をつけた方がいいですよ。
じゃあ〜、こちらにペットボトルありますから、配ってくださいね。
入室したら私は右から配るので、古川さんは左からお願いします。」
そういうとペットボトルの15本ずつ入った段ボールをひょいと持ち上げた。
結構重たくない？
秘書の人って綺麗なだけではつとまらないみたい。
配る時は流石に２本ずつ、少し頭を下げながら置いていく。
中村さんをお手本にして、私も配っていく。
たまに振り返った人に、見たことない顔だなぁ〜って顔されるけど、淡々とペットボトルを配る事に集中する。
その時、
RM「あれっ？Aさん？」
えっ？私の名前を知ってる人がいる？
振り返ると
「あれっ？めめ？」
小さな声で言ったつもりが静かな会議室では思いの外響いたみたいで、私は初日からペコペコと頭を下げる羽目になった。
配り終えて、会議室を後にする。
早速、中村さんからチェックが、
中村「古川さんって、営業部の目黒さんとお知り合いですか？」
って殺気漂う感じで尋ねられた。
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作者名：みっきーまま
| 作成日時：2024年1月15日 23時
