9人のナイトに愛された天使たち－5章－ (ページ34)

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派遣初日ページ34

「今日からこちら企画部の庶務的なお仕事を担当する事になりました、古川Aと申します。

よろしくお願いします。」

これで何回目の自己紹介だっけ？おかげでかなりスムーズに言えるようになった。

課長から

Ｋ「うちはフリーアドレスだから、座るところはどこでもいいから…あと初日早々に申し訳ないんだけど、秘書課でお休みが重なってしまって、、、

会議のお茶出し、今日だけ手伝ってもらえないかな？今日だけだから、、、どう？」

かなり低姿勢なお願い。多分、前に派遣さんから

「契約に入っていない仕事は致しません！」とか言われちゃったのかな？(笑)

「はい、まだ総務課の方からパソコンも届いていないので、私でよければお手伝いさせてください。」

そう告げるとホッとした顔をした課長。

でもそれまで私はどこに座ってればいいかな？

そこへ一人の男性社員の方が…

HM「おはようございます。今日からの派遣さん、ここ空いてるよ。」

この言い方、あんまり好きじゃないけど名前もまだうるおぼえなんだからしょうがないよね。

「ありがとうございます。私…」

HM「古川Aさんだよね？さっき自己紹介してたからちゃんと覚えてるよ。」

だったらなんで派遣さんなんていい方するんだろう？

「あっ、はい。ありがとうございます。」

HM「今さ、こいつなんなの？名前覚えてるなら名前で呼べよって思ったでしょ？」

「いえ、そんな…」

図星だっただけに何もいえない。

HM「あっ、これ俺流の距離の縮め方だから気にしないで、Aちゃん。

いちよう、今の受け答えで分析させてもらっちゃったよ。

Aちゃんは、思っている事がすぐに顔に出る、ポーカーフェイスはできない素直な女の子って事が…」

「あの、ちょっと失礼…」

HM「あっ、ごめん！俺今から打ち合わせなんだよね。文句ならまた改めて聞くよ、退社後ならいつでもOKだから。

俺、企画部の松村北斗 28歳、独身、彼女募集中です。

じゃあ〜ねっ…」

えっ、なんか言いくるめられちゃった？

それにしても松村北斗…不思議な人だわっ。

しばらく大人しく座ってると、総務課の方がパソコンや社用携帯など必要な物を全て持ってきてくれた。

YK「あのこれで全てです。他に必要なものがあれば言ってくださいねっ。私、総務課の高地です。

このフロアの一番端の方にいるので遠慮なく声かけてください。」

「ありがとうございます」

この人はすごくいい人っぽいとホッと胸を撫で下ろした。