長い春の憂鬱 （人1）side ページ4
あれから５年…
やっぱりAから連絡はなかった。
半年くらいはAを探すことに必死で…仙台に住んでるおばさんに連絡してみたり…
でもマジで住んでるところも知らないみたい。
母「娘の住んでる場所も知らないっておかしな話よね…
でも定期的にちゃんと連絡はくれるのよ。フラ〜っと顔も見せてくれるから…あんまり詮索しないことにしたのよ。
あんな事もあったからねっ…」
それ以上、おばさんに何も言えなくなった。
凛におばさんとの会話を話したら、
凛「菜緒…待ってみようよ。Aは私たちを拒絶しているわけじゃない…
私はそう信じてる。
Aがまた心を開いて、私たちの所へ戻ってくる日を…」
凛の言葉が心に響く。
「わかった…Aの捜索は一先ず、ここで休止だね。
ちゃんと繋がってる私たちだもん。きっとAから会いに来てくれるねっ…」
そしてこの５年、私たちにも人生の分岐点があった。
私、竹下菜緒はこの春、晴れて照こと岩本 照さんと結婚した。
交際８年目にして、やっとお互いの覚悟を決めて人生を共に生きることを決断した。
喧嘩もあったし、別れを予感した日もあった。
この８年という月日…私たちは答えを出せないまま、なんとなく２人でいる日々を過ごしていた。
付き合いだして間もないころは、毎日のように電話をして、片時も離れたくなくて…
でも２人とも自分の居場所が広がると、そうもいかなくなっていく。
自分の描いていた未来、それとかけ離れていく現実にこのままでいいのって悩んていた１年ほど前・・・
その出来事は起きた。
春の恒例、４月からの異動に関連した送別会。
１次会で帰るつもりが、お世話になった先輩からの誘いを断れ切れずに、私は２次会まで参加することに・・・
例のごとく照に連絡を入れる。
「ごめん…お世話になった先輩のお誘いを断り切れなかったんだよね…
２次会まで行くことになっちゃって。」
男性がいる飲み会の参加はいつもいい顔をしない照。
何度もこのことで言い争いになることが多くなっていた
HI「もう近くまでいるんだけど、抜けられないの？」
やっぱり不機嫌な声。
「できないよ、私にだって会社の付き合いってもんがあるんだから…
何度も言ってるけど、私ってそんなに信用ないの？」
いつもだったらもっと言い争いになるのに、今日は照が早めに引く
HI「わかった。俺たち、色んな意味で考え方にズレが出てきてるみたいだな…」
事故？ （人1）・照side→←念押し… （人8）・（人1）side
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作者名：みっきーまま
| 作成日時：2024年1月15日 23時
