私の王子様 （人6）side ページ29
私にとって夢のような半年…
こと恋愛に関しては少女コミックで読んだ知識くらいしかなくて…
でも阿部さんがその少女コミックの中の王子様を見事に演じてくれて、私の人生はまるでシンデレラストーリー。
だけど幸せはそう長くは続かなかった…
初詣で「みんな健康で過ごせますように…」ってお願いしたのに…
健康診断で再検査の文字。
電話で阿部さんに報告…ちなみに、阿部さんって呼び方はいまだ健在。
「なんかこわいなぁ〜。」
RA「大丈夫だよ。このところ残業が続いてたから数値的にあんまりよくなかっただけだよ。
ほんとは一緒に行ってあげたいんだけど、教授の講演の手伝いで四国なんだよ。」
「大丈夫です…一人で頑張ってみます。」
RA「頑張ってねっ。結果が出たらちゃんと知らせてねっ」
検査は触診からマンモグラフィ、超音波(エコー)検査、病理検査(細胞診・組織診)、MRI検査・CT検査、腫瘍マーカー検査とかなりたくさんな検査項目
この検査、一日では到底無理で診断結果が確定されるまで約1か月くらいはかかるらしい。
そして丁度1か月後、阿部さんと一緒に検査結果を聞きに行った。
結果は乳がん…でもステージ�颪播尚椶發覆い海箸�ら放射線治療で完治までもっていけるという事だった。
ただやっぱり癌だったというショックは私の中では大きくて
「再発とか心配になっちゃう…」
すると阿部さんが私の背中をゆっくりとさすってくれて
RA「今は先の事は考えずに、目の前の治療に専念しよう…
５年後の生存率だって90%を超えてきてるって話だったし、あとは仕事を少し控えめにしろって言ってたから少し有休使って体を休めるのもありだよ。」
私が茫然として聞いていなかったこともしっかり聞いてくれていて、本当にありがたいと心から感謝した。
それから１か月ごとに定期健診に通うことに…
治療を終えて半年過ぎたころ、乳房に自分でも明らかに感じる違和感が・・・
主治医に診てもらうと、やはり…再発。
今度は外科的手術を伴う段階まで来ているといわれ、私は途方に暮れた。
そしてこの事を阿部さんに伝える事が出来ず…自分の中で勝手に答えを出してしまった。
「阿部さん、私、この仕事を辞める事にしました。」
RA「えっ、どうした？なにかあった？」
阿部さんも私の急な告白にかなり驚いている様子だった。
「祖母の家の近くで薬剤師を募集してたんです。そこで働こうかなって…
だから、阿部さんとはもう終わりにしたいんです。」
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作者名：みっきーまま
| 作成日時：2024年1月15日 23時
