微妙な距離感【回想】（人6）・亮平side ページ25
ー 亜美 ー
私の乳がんと診断されたのが、丁度４年程前の健康診断…
その頃の私は、幸せの絶頂にいた。
確かあれは５年前の9月ごろだったかな。
【回想】
Aちゃんから久しぶりにLINEをもらった。
そのLINEには
『亮ちゃんが日本に帰るみたいだよ。』
阿部さんと一緒にいたくて、Ｔ大に転入したのに…
いざ帰ってくるって聞いた時、私は少し気後れしていた。
なぜって…
アメリカからこちらに戻ってくる時、あんなによくしてくれた阿部さんになんの連絡も取らなかったから…
それは私が臆病だから…
こんなに私に気を遣ってくれているのもAちゃんの友達だから？
どこかにそんな気持ちがいつも見え隠れしていたから…
それから３ヶ月ほど経ったクリスマス近く。
再会は突然訪れた。
教授から
教「松本さん、新しい、いや出戻りかな(笑)こちら阿部 亮平くん。」
RA「教授、ひどいなぁ〜、出戻りなんて…阿部 亮平です。よろしくお願いします。」
もしかして、怒ってますか？
私が阿部さんと知り合いだって言ってなかった事…
ー 亮平 ー
亜美ちゃんとの久しぶりの再会。
しかもクリスマス近く…
告白には絶好のチャンス…だと思ったんだけど、、、
なんか様子が違う亜美ちゃん。
下を向いたままで俺と目を合わそうとしない。
とりあえず自己紹介を普通にこなして、休憩時間に亜美ちゃんに声をかける。
「亜美ちゃん、久しぶり。元気だった？」
亜美「お久しぶりです。その節は色々お世話になりました。
何も連絡せずに申し訳ありません。」
「いや、いいんだけどさっ…亜美ちゃん、なんか雰囲気変わった？
昔はもっとフレンドリーな感じで…」
亜美「いや、ここはもうアメリカじゃないし…阿部さんの優しさに甘える理由がもうないわけだから…
Aちゃんとの約束を守ろうとしてくださった阿部さんにこれ以上甘えると私、勘違いしちゃいそうなので…」
「それで？この距離感なんだ…」
俺の言葉に黙り込んだ亜美ちゃん。
これはもう近いうちにちゃんと気持ちを伝えなければと覚悟を決めた。
それからまもなくして俺はこの気持ちを伝えるということをAにちゃんと報告しようと連絡をいれた。
だけどLINEは繋がっておらずで、何かあったのかと菜緒に連絡をいれて、驚愕の事実を知ることになる。
菜緒「それから急にAの居場所がわからなくなって…ほんとあの子ったらどこにいるんだろう？」
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作者名：みっきーまま
| 作成日時：2024年1月15日 23時
