意外な再会 ページ24
あれからどれくらいたっただろう…次に気づいた時にお兄ちゃんの姿が見え、かなりびっくりした。
「なんで、お兄ちゃんが入ってきてんの？」
HF「お前なぁ〜、不用心にも程があるだろっ。鍵、かかってなかったぞ。」って逆に叱られた。
それから、お兄ちゃんが持って来てくれた冷えピタをおでこにパンって貼られる。
「いたぁ〜い！私、病人なんだけど…」
HF「それくらいで痛いって言うな！近くにいるのに妹から頼られもしない兄の心の痛みに比べたら、そんな痛みなんて屁のようなもんだ…」
痛いところを突いてくるお兄ちゃん。
「ごめん・・・」
今の私にはこの言葉しか見つからない。
HF「まぁ〜、今回こうして頼ってくれたんだから２年分くらいは勘弁してやるよ。」
「あと３年もあるじゃん…」
HF「３年分はたまにうちに顔出せ。香織も心配してたし、まこもお前に会いたがってたから…
でも今は病院が先だ・・・いいな。ほら、着替えろ！行くぞ。」
嫌味はかなり言われたけど、基本、お兄ちゃんは私に甘い。
これは昔から・・・口うるさいけど、色々心配してくれていたのも事実だし。
そして私は近くの総合病院へ…
HF「お前、かかりつけの病院は？」
「別に、、、このところ至って健康だったから、特別にかかりつけって決めてないかも…」
お兄ちゃんが大きなため息
HF「はぁ〜、お前なぁ〜…まぁ〜、いい。近くに総合病院があったよなっ。そこでいいなっ。」
返す言葉もなく頷く私。
でもそこで懐かしい人と再会。
亜美「Aちゃん…Aちゃんだよねっ。」
振り返った先にいたのは、亜美ちゃんだった。
「亜美ちゃん、久しぶり…元気だった？」
亜美「元気だったじゃないよ。急に連絡取れなくなってどれだけ心配したか…」
「ごめんなさい。返す言葉もありません。」
亜美「阿部さんも心配してたよ。」
その時、結婚式で亮ちゃんが亜美ちゃんの事を話していたことをふと思い出した。
「亮ちゃんが？ そういえば、亜美ちゃんって、今も亮ちゃんと一緒の所で働いてるんだよね？」
すると一瞬で顔色が悪くなった亜美ちゃん。
亜美「私、今入院してるの。」
「どこか悪いの？」
私の問いかけに、頷いたまま何も答えない亜美ちゃん
「ごめん…久しぶりにあったというのに、唐突すぎたよね…」
亜美「ううん、Aちゃんが興味本位で聞いてるわけじゃないことわかってるから…
実は私、乳がんなんだ。仕事も３年前にやめちゃった。」
微妙な距離感【回想】（人6）・亮平side→←５年ぶりの病気 +勇斗side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みっきーまま
| 作成日時：2024年1月15日 23時
