聖都の影 +翔太side ページ22
− A −
「もう少しだけ風に吹かれてから帰ります…」なんてちょっとかっこいいセリフを言っちゃったけど…
振り返るとしょっぴーと舘さんが少し呆れた顔してる。
SW「あと２時間ちょい…どうするつもり？」
RY「タクシーで帰るつもりだった？それとも風に吹かれるつもりだった？(笑)」
あれっ？舘さんらしからぬセリフ…
これっていつもならしょっぴーのいいそうなことなのに・・・そう思い、しょっぴーを見ると
SW「お前なぁ〜、俺だって５年も経てば成長してんだよ。特に今は女性の気持ちもちゃんとくみ取れなきゃ、仕事になんないしね。」
「そっかぁ〜、美容師さんだもんねっ…たまに美容系の雑誌で見かけてたよ。
この間も女性誌の【予約の取れないスタイリスト特集】で写真出てたよねっ？」
するといつものしょっぴーの顔…
SW「見てくれたんだ…まぁ〜ね、でもあの後もっと予約とれなくなっちゃうからねっ、大変でさっ…」
RY「始まるよ、いつもの翔太節…このまま風に吹かれてたら、風邪ひいちゃうよ、Aちゃん。」
やっぱり変わってないしょっぴーと舘さん…
少しホッとすると共に、そこに聖都がいない一抹の寂しさを感じてた。
− 翔太 −
ふと魅せる表情が少し寂し気でつい手を差し伸べたくなってしまう。
隣にいた涼太もきっと考えてることは一緒で…
でもその表情は未だにAの心にいる聖都の影だという事に気づいてるから、俺たちは何もできずにいる。
その時、涼太が
RY「少し歩くんだけど、銀座におしゃれな夜カフェがあるんだけど、そこで始発まで時間つぶす？前にオーナーが言ってて、一度行ってみたかったんだ。どうする？」
A「行ってみたい…しょっぴーも行こうよ、ねっ。はい！決まり！！」
そういうと俺と涼太の腕に自分の腕を絡ませるA。
Aにとって、俺たちは単なる男友達だから、こんな行動も躊躇なくできる…
それがわかっているだけに少しばかり虚しい気持ちになったけど、裏を返せばこうやって頼ってくれているAのことを今度はしっかりと守り切ってやりたいと思った。
３人で人気のない銀座。俺たちは他愛もない話で盛り上がりながら、カフェへ…
そして２時間程、思い出話に花を咲かせた後、、、涼太と２人して、始発に間に合うようにAを駅まで送り届け、電車に乗り込んだAの姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
次こそはAを決して見失わないようにって、2人して誓いを立てたんだ。
５年ぶりの病気 +勇斗side→←会えなかった時間 +（人8）side
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作者名：みっきーまま
| 作成日時：2024年1月15日 23時
