無理しないで 康二・（人5）side ページ13
ー 康二 ー
22歳、大学を卒業してはや５年…
バラエティ番組の制作に携わりとうて、小さいんやけど、今まで色々な番組を作り上げてきたＴ社に就職。
最初はよかった。
怒られても何しても、俺は下っ端のＡＤ、怒られるのもある意味仕事やさけ…
せやけどここからが問題やった。初めて通った企画が視聴率が取れんと打ち切り、、、
数字が命のこの世界。もうこれ以上失敗はできへん。
せやけど、次からはどの企画も全部通らず。
仕舞いには後輩の番組をてとてって言われ、プライドズタボロ…
こないなこと誰にも相談できへん。
若菜は勘のええ子やから俺の前で仕事の話しは一切せんと、一緒におる時は色んな呪縛から解放されるんやけど…
今はその魔法も乱用しすぎて効かんくなってもて…
このままでは俺は間違いなく引きこもって まう。
どこぞで対策をうたんと…
ほんで悩んだ末に病院から診断書をもうて、休職届を提出した。
30歳を目前にして俺はいったい何をやっとるんやろう？
そん時、ドアを勢いよく叩く音。
若菜「康二…いるんでしょ？あけて！」
今すぐにでも出て行きたいけど、こんな情けない姿を若菜に見せるなんて、あり得へん。
聞こえへんように耳を塞ぐ。
せやけど何度も叩く若菜
隣「朝からうるせぇんだよ！」と怒鳴られてしまった若菜
若菜「どうもすみません…」
謝っとる声が丸聞こえ。
せやけどやっぱり一歩を踏み出せへん俺がいた。
ー 若菜 ー
居るのはわかってる。電気のメーター動いてるもん。
私、しぶといんだから出て来なよ。
ちょっとしんどいから、ドアの前で体育座り…
昨日の夜、なんだか寝つきが悪くて眠れなかったつけが、今突然睡魔になって襲ってきた。
どれくらい経ったのだろうか、次に目覚めたのは康二のベッドの上。
「あれっ？どうなってんの？」
KM「ここはどこ？私は誰？ののりかいな。」
「もしかして運んでくれた？」
KM「他にどんな手段があるん？」
あはっ、確かに。
「寝ちゃってたね…」
KM「それよりどないしたん？急に家に来たりしぃ…」
そこでじ〜っと康二の目を見つめる…
KM「なに、なに？どないしたん？」
「康二、私に何か隠してない？」
KM「もしかして、会社に電話したん？」
「した。休職届が出てまっせ〜って言われてしもたわ。」
KM「なに〜？そのみょうな関西弁は？」
無理して笑おうと頑張ってる康二。
そんな康二の前で、
「康二、無理せんと、泣いてもいいんやで〜！」
康二の味方だよ （人5）side→←休職中？ 辰哉・（人5）side
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作者名：みっきーまま
| 作成日時：2024年1月15日 23時
