側にいてほしい （人2）・辰哉side ページ11
ー くるみ ー
退院した頃から少しずつ考えてた。
凛ちゃんと同じ時期に妊娠がわかって、色んなタイミングが凛ちゃんと一緒で、、、
大介がツアー帯同でいないからって、凛ちゃんの母親教室にまで顔出して…
「凛ちゃん、ありがた迷惑なんじゃない？(笑)」っていうと大真面目な顔で、
TF「凛ちゃんだって一人で行くより、寂しくなくっていいんじゃん…
それに俺だって他のパパより2倍も心構えできちゃうし一石二鳥！なかなかいい考えしょ(笑)」
誰よりも赤ちゃんの誕生を楽しみにしてたのに…私はそれを叶えてあげられなかった。
退院する前から毎日欠かさず病院に通ってくれて、私が考え込まないように明るく振る舞ってくれた。
どんな時でも私の事を一番に考えてくれて…
でもそんな健気なふっかを見るのが辛くて、私は言葉と笑顔をだんだんなくしていった。
そんな私をみていたふっかは、多分私にどうして接していいのかわからなくなっていったのだろう…私たちは交わす言葉さえ最小限になっていた。
ー 辰哉 ー
思いがけない言葉に俺はかなり焦ってしまう。
でもここでくるみの手を離してはいけない。
離してしまえば俺はこの先ずっと顔をあげられない。
「償うってなに？今回のことは先生だって原因不明だって言ってたじゃないか。
くるみのせいじゃない。誰も悪くない。」
くるみ「私がもっと動きが弱くなった時に気付けば、そうすれば…」
そういいながら泣きじゃくるくるみの腕を掴み、自分の胸に引き寄せる。そして思い切り抱きしめた。
「そんなこというなよ。くるみのせいじゃない。
それをいうなら、俺だって気付けるタイミングはあったはず…毎日、お腹を触ってたんだから…」
くるみ「それだけ心待ちにしてたってことだよね？」
「当たり前じゃん、俺とくるみの子供だよ。
くるみとの間にできた赤ちゃんだからだよ。
でもこの先、くるみが怖くて子どもは無理だってそういうのであれば、俺は子どもは作らなくていいよ。」
くるみ「そんな…」少し体を離して俺の瞳を見つめる。
「俺が大事なのはくるみ。くるみが居てくれたらそれでいい。俺たちなら2人だけでも十分楽しいって…
俺自身くるみが側にいない人生は考えられないんだ。」
気がつけば俺の頬にも一筋の涙…
その涙に気付いたくるみが俺の涙をそっと拭ってくれた。
くるみ「それでふっかは大丈夫なの？」
俺はその言葉に
「もちろん、それがいいんだ。」
休職中？ 辰哉・（人5）side→←私と別れて… 辰哉side
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作者名：みっきーまま
| 作成日時：2024年1月15日 23時
