スマホの中の笑顔 +（人8）side ページ50
− A −
お兄ちゃんがホテルに戻った後、自分の部屋で聖都との思い出が詰まっているスマホの写真をずっと見ていた。
いつからだったんだろう？
この頃から具合が悪いのを隠して、私と会ってたの？
私が無理をさせてたの？
どうしてあんな状態になるまで私は気づけなかった？
何度も自問自答。
でも答えは返ってこない。
だって聖都はもういないのだから…
その日は思い出がいっぱいのこの部屋で一睡もすることができず。
私は次の日、今働いている会社に辞表を提出。
住み慣れた家から一通りの荷物をトランクに詰めると、都内にあるウィクリーマンション…
きっとここであれば聖都とのことを思い出すこともないはず…
一先ず聖都のことを忘れなければ、そう思えば思うほど過去の記憶だけで頭がいっぱいになってしまう。
今の私は物理的に聖都との関りを切ること…それが私が聖都を忘れるには一番近道だと思ったんだけど…そう簡単なものではなかった。
− 凛 −
聖都さんちで、にこやかに笑っている遺影を前に手を合わせる。
らうくんはご両親の前では決して涙を見せずに毅然としてた。
目黒君はまだ現実として受け入られていない様子。
私だって、未だに現実なのか夢なのか…ただ遺影を見るだけで涙が出る。
その度に大ちゃんが背中をさすってくれる。
もちろん大ちゃんも涙があふれていて…
SM父「みなさん、ありがとう。あいつは、聖都は幸せ者ですね。
こんなに素敵なお友達がいて…それにらうまでお世話になっていたなんて・・・
これからもよろしくお願いいたします。」
その横で聖都さんのお母さんが手元に持っているスマホと何やら私たちの顔を何度も見比べている様子。
その事に気づいたふっかさんが
TF「おばさん、どうしたんですが？」
SM母「ごめんなさいね。この写真のお嬢さんはこの中にいらっしゃる？」
ふっかさんにスマホを渡したお母さん。
SM母「聖都にお付き合いしている人がいることはなんとなく知ってたのよ。
でも聖都からその人の事を聞くことはなかったの。
あの子は自分の病気が、いつ再発するかわからない病気だって知ってたから…
だけど、あの子ねっ…亡くなる寸前までこの写真を見て笑ってたのよ。
すごく嬉しそうでねっ。
誰って聞くと
【この世で一番大事にしたい人】
って教えてくれたの。
だからこのお嬢さんがいたら、お礼が言いたくて…」
そのスマホの中で微笑んでいたのは…紛れもなくAだったんだ。
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りえ(プロフ) - カカオ砂糖さん» ご指摘ありがとうございます。 (1月13日 13時) (
レス) id: fa9cfabba3 (このIDを非表示/違反報告)
カカオ砂糖(プロフ) - あの…オリジナル作品のタグが付いてます…。 (1月13日 8時) (レス) id: 61b8287146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みっきーまま
| 作成日時：2023年12月25日 21時
