最優先すべき事 +勇斗side ページ48
− A −
悪い夢だよね?
でも心配そうに私の顔をのぞき込む2人…
これは現実なの?
そういえば思い当たることが、、、
お兄ちゃんが聖都に会いに行った時…もう聖都の事は忘れろってそういった時…
私は何となく違和感を感じていた。
もしお兄ちゃんが聖都の余命宣告を知っていたとしたら、、、
私は突然立ち上がると
「ごめん、帰るねっ…」
2人とも私の状態を見て、送るっていってくれたけど…
「大丈夫だよ。ちゃんと1人で帰れるから…」
そう言ってその場を後にした。
− 勇斗 −
披露宴からそのまま二次会…まだまだ飲み足りない奴らに付き合ってたのだが…
香織から、明日も仕事でしょってつつかれて、今やっと香織とホテルからプレゼントされたスイートルームへ…
そんな時、AからLINEが…
A『おめでたい日にごめん…お兄ちゃんに聞きたいことがあるんだけど、、、』
そのLINEを見てとっさに聖都の事を思い出した。
「香織、ちょっと出てきていい?Aの事で心配なことがあって…」
香織には聖都とAのことを包み隠さず話していたので、快く承諾してくれた。
家に戻ると電気も何もつけていないリビングにA1人で…放心状態でソファに座ったまま。
「A、大丈夫か?」
声をかけると、初めて俺の存在に気づいたようで…
情け無くなるくらい力のない声で…
A「お兄ちゃん、聖都が亡くなったって…」
その言葉を聞いて、言葉をなくしてしまう。
自分のことで頭がいっぱいだったこの3ヶ月。
でもそんなに早く?
「A、大丈夫か?」
そう声をかけるのがやっとで…
A「お兄ちゃん、このこと知ってたよね?
なのに、あの時…
なのに、あの時、聖都と別れろって言ったの?
もしあと少しだってわかってたら、私…
私は聖都のそばに、ずっとそばに居たかった!
居たかったよぉ〜…」
そういうと号泣し始めたA。
聖都、お前が恐れていたのはこの光景だったんだよなっ。
でも無理だよ。
あんな別れ方をしてもなお、Aは聖都が好きだった。
でも聖都、お前はA幸せを考え、辛い気持ち隠して手を離した。
だけどどんな別れ方もしても、Aの中でお前は確実に生き続ける。
俺はAにかける言葉を探し続けたけど、適当な言葉が見つからなくて…
「これは聖都が最後の最後に望んだことなんだ…
聖都は今から自分のいない未来を生きるAの、お前の幸せを最優先したんだよ。」
絶対に忘れない… +勇斗side→←信じられない真実… +ラウール・蓮side
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りえ(プロフ) - カカオ砂糖さん» ご指摘ありがとうございます。 (1月13日 13時) (レス) id: fa9cfabba3 (このIDを非表示/違反報告)
カカオ砂糖(プロフ) - あの…オリジナル作品のタグが付いてます…。 (1月13日 8時) (レス) id: 61b8287146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みっきーまま | 作成日時:2023年12月25日 21時