お前らしく ラウールside ページ37
マンハッタンの街を兄ちゃんと２人して歩く…
日本だと高身長の僕たち兄弟はかなり目立つ存在なんだけど、アメリカともなると人混みに紛れることが出来てちょっと楽だったりする。
一度来てみたかった街だったから、かなりテンションが上がった。
SM「やっぱりすごくオシャレだよなっ。こんなオシャレな街並みを自慢の弟と歩けるなんて…嬉しいよ、らう。」
僕を見つめる瞳がやけにウルウルしてるように見える。
「あのさっ、兄ちゃん…今回、なんで急におじいちゃん達に会いに行くって事になったの？
兄ちゃんがこの間、父さんと一緒に出かけた事と関係ある？」
すると少し驚いた顔した。
でもすぐに本当の事を話してくれた。
SM「らうにはお願いしないといけないこともあるから、今の現状をちゃんと話しておかないとなっ…」
そう前置きをして、病気の事、それももう長くない事まで包み隠さず話してくれた。
どこかでそうなのかもと思いながらも、いや考え過ぎてるんじゃないかという認めたくない思いが入り混じって…
このところの僕はかなり情緒不安定だった。
だけど本人である兄ちゃんから聞かされた途端に、僕は涙が止まらなくなった。
きっとこれから先流す涙がなくなるんじゃないかと思うくらい…
兄ちゃんは僕の背中を何度もさすりながら、
SM「らう、ごめんな…悲しい思いをさせてしまって。
でもらうにはちゃんと話しておきたかったんだ。自分の言葉で、、、
父さんと母さんは今回の旅をそういう意味のある物にしてくれた。
俺が俺らしく最期の時を迎えられるようにと、複雑な思いを抱えながらも俺とらうの2人旅を許してくれたんだ。
もちろんじいちゃん達にお別れを言いに行くのも大事な目的のひとつだけど、俺はらうと2人でこうして旅をしたかった。
俺の時間が少ないから、お前の成長を待つ事が出来なかったけど、この旅は俺の叶えたい夢でもあったから…」
兄ちゃんの言葉、ひとつひとつが心に刻まれる。
SM「兄ちゃんの希望なんだよ、らうは…
だから自分の思うままに生きてほしい。
父さんや母さんはお前の生き方に、俺の未来を重ねてしまうかもしれない。
でもらう、俺は俺の人生を悔いなく生きて最期を迎える。ただ人より少し短いだけ…
だからお前もお前らしく生きてほしい、いいな…
それから最期に俺からのお願い。
もし日本に帰国してAと会うことがあっても俺のことに触れないでいてほしい。
Aが幸せな未来を歩く為に…」
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りえ(プロフ) - カカオ砂糖さん» ご指摘ありがとうございます。 (1月13日 13時) (
レス) id: fa9cfabba3 (このIDを非表示/違反報告)
カカオ砂糖(プロフ) - あの…オリジナル作品のタグが付いてます…。 (1月13日 8時) (レス) id: 61b8287146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みっきーまま
| 作成日時：2023年12月25日 21時
