9人のナイトに愛された天使たち－4章－ (ページ32)

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譲れないこと　（人8）・大介side ページ32

－凛－

１泊２日の卒業旅行を無事に終え、駅に到着…

時間通りに菜緒を迎えに来ている岩本さん。

HI「よかったら、送っていくけど…大丈夫？」声をかけてくれた。

A「あっ、私は大丈夫です。兄が迎えに来てくれるので・・・」

ちょっとした違和感を感じてそうな岩本さん・・・だけど菜緒が肘を摘まんでツンツンすると

HI「凛ちゃんは？佐久間さん、来るよね？」って…

「はい、大丈夫です。」

程なくして、大ちゃんの車・・・

DS「ごめんね、ちょっと渋滞しちゃってて…Aちゃんも荷物多そうだし送ってくよ。」って聖都さんの存在を完全に消してる。

これは知ってるな・・・

「Aはお兄ちゃんが迎えに来るから、大丈夫なんだって！A、じゃぁ～、勇斗さんによろしく。
後は任せといて…」

－大介－

凛の意味ありげな「後は任せといて…」

Aちゃんから聖都との一連の事を聞いたんだな(-_-;)

でも今回は凛のお願いでもどうしてもダメなんだ。

これは聖都の命を懸けた最後のお願いだからねっ

案の定、車に乗り込んだとたんに

凛「大ちゃん、聖都さんとAのこと・・・知ってるよね？
どういうこと？あの聖都さんがAを切り捨てるなんてありえないんだけど…」

「凛…ごめん。その件に関しては俺は何も言えない。
これはAちゃんと聖都の問題であって、俺らが踏み込むべきことではないんじゃないかな？」

流石にこの言葉は凛にも刺さったらしく、不機嫌な顔にはなってるけど、何も言わなくなった。

暫くの沈黙…口火を切ったのは凛

凛「わかった…大ちゃんのいう通りだね。でも一つだけお願い聞いて・・・
Aの中で聖都さんとのことは終わってない。今回の旅行で私たちはそれを肌で感じたの。

Aの親友として、Aにはちゃんと聖都さんとのことを終わりにしてほしい。
でなきゃ、Aは次の恋に進めない。

聖都さんとちゃんとお別れする時間をAにちょうだい。

未練が残らないように、ニューヨークへ経つ日、Aに見送らせてほしい。
このお願いだけは譲れない、Aの為にも…」

凛の顔はいつになく真剣でその瞳に光るものが…

参ったなぁ～、これってあざといを狙ってるわけじゃなくて本気みたいだ。

「わかった。約束はできないけど…聖都に聞いてみるよ。
期待しないで待ってて…」

するとじ～っと俺の目を見て凛が一言

凛「ううん、期待して待ってる…」