9人のナイトに愛された天使たち－4章－ (ページ30)

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心優しい親友たち　+（人1）side ページ30

－菜緒－

電車に乗った辺りから、Aがやけにはしゃいでいる。

いつもは私がはしゃぎまくって、凛とAがそんな私を笑いながら見ているのが定番なんだけど…

今日のAは、初めからテンションが高くて、私と凛はなにかあったんだなってすぐに気づいてしまった。

Aに化粧室に立ったタイミングで２人して打合せ。

凛「１ヵ月ぶりくらいかな？なんかやつれた気がする…」

「確かに、、、佐久間さんから何か聞いてる？」

凛「大ちゃんもこの頃、ちょっと変だから、Aが変なのは、きっと原因は聖都さんだねっ。」

「そっか…今日の夜にでもゆっくり話をきいてやるかっ。」

私のその言葉に親指を立てた凛。

そして後ろを振り向くと、化粧室から戻ってくるAの姿が見えた。

「お迎えのバスがもうすぐ着くよ。急いで…」

私の声に急に駆け足になるA。

そんなAを見ながら、凛が一言。

凛「旅行が終わる頃に、いつものAに戻ってるといいねっ…」

－ A －

旅館についてすぐに温泉に…

浴衣姿の私を見て、菜緒が

菜緒「なんかこの姿、聖都さんが喜びそうだよね。うなじに浴衣…ムラムラしちゃったりして(笑)」

聖都の名前が出てきて、ドキッとしたけど、ここは頑張って平静を装う。

「菜緒のうなじもなかなかだよ。岩本さんもムラムラだねっ…」

凛「確かに、菜緒は岩本さんの愛のおかげで完全に開花しちゃってるよね(笑)」

菜緒「そういう凛だって…愛されてる感駄々洩れ。」

３人してこんな話をするのも今日が最後…

今の私は、誰にも必要とされてないんだから。

食事は部屋食…いつもよりお酒も進み３人とも顔が真っ赤っか。

本音も出始めたところで凛が

凛「A、なんかあったの？」

「へっ？何もないよ…」

まだ少し理性は残ってるみたいで、この話題もうまくかわせるって思ったのに…

菜緒「水臭い。私たち何年来の友達だと思ってんの…いってみぃ～！」

凛「そうだよ、A…気を遣って溜め込むなんて、らしくないことしないでよ。」

そう言われ、２人の優しさに甘える事にした。

「実は、私、聖都とお別れしたんだよねっ…」

その言葉と同時に零れ落ちた涙…

楽しい卒業旅行を台無しにしそうで、言えなかったこの事実。

すると凛が一言

凛「たっぷり聞いてあげるから…ねっ。」って言ってくれたんだ。