突然の決別宣言 +聖都side ページ23
− A −
あの日から10日後の夕方…聖都が急に私の家に連絡なしにやってきた。
SM「突然、ごめんねっ…」
「別に構わないけど、どうしたの?」
SM「あの・・・Aに大事な話があるんだ。」
聖都の暗い表情に、その話が私にとっていいことではないという事が容易に推測できた。
「ここじゃ言い辛いこと?」すると視線を逸らし、うなづいた聖都
「ちょっとまっててコート取ってくるから…前にみんなで行った神社にお参りに行っちゃう?
この間いけなかったし、聖都の健康祈願と私の仕事がうまくいきますようにって…」
少しおどけて言ったのに、聖都は一度も笑わず、目も合わさずで、どうしていいのかわからなくなった。
− 聖都 −
何と言って別れを告げたらいいのか、昨日の夜俺なりに一生懸命考えた。
このまま最期まで…とも考えたけど、俺が今一番に考えないといけないのはAの未来…
どんなことがあっても俺との事を引きずってほしくない。
この瞬間、Aを傷つけたとしても、Aの未来に俺がいてはいけないんだ。
その事をしっかりと心において…
神社までの道、いつもと違う空気を感じているAが
A「ちょっと寒いねっ…いつもの所に行く?」
「そうだねっ。少しあったまろうか。」
少し歩くと、よく2人で行ったカフェ。
中に入り、いつも通りAはホットココア、俺はコーヒーを注文した。
運ばれてきたカップを両手で包むように暖をとるA…いつもの光景だ。
俺はどう切り出すべきかを考えていたら
A「なんか今日の聖都…顔が怖いな(笑)」って笑顔で話を切り出してくれた。
でもここからはAにとって辛い話…
今のその笑顔が消えてしまうんだと思ったら、悲しい気持ちでいっぱいになった。
「実は、ニューヨーク支社に転勤することになった。」
A「ニューヨーク?」予想通りAから笑顔が消えた。
「今までやっていたプロジェクトが成功して、その立ち上げに関わっていた支社の部長が是非、一緒に仕事がしたいって言ってくれて…俺にとっては大きなチャンスなんだ。
だから本気でチャレンジしたくて、暫く仕事に専念したいと思ってる。だから、もうAとは…」
A「私、待ってるよ…2年でも3年でも、いやもっと…」
「ごめん、もしかしたらもう戻ってこないかもしれない。だから、Aとは…今日で終わりにしたい。」
Aの頬をつたう涙…
ごめん、でも辛いのはこの一時だから…
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りえ(プロフ) - カカオ砂糖さん» ご指摘ありがとうございます。 (1月13日 13時) (レス) id: fa9cfabba3 (このIDを非表示/違反報告)
カカオ砂糖(プロフ) - あの…オリジナル作品のタグが付いてます…。 (1月13日 8時) (レス) id: 61b8287146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みっきーまま | 作成日時:2023年12月25日 21時