余命半年 聖都side ページ20
大介は体が大事だって気遣ってくれたけど、この仕事が大事な時に急に出張をキャンセルできるわけもなく…
出張から戻って次の日に予約をしていた病院へ…
ＭＲＩにＣＴ、レントゲン、内視鏡、血液検査…あらゆる検査を行い、その結果は後日という事だった。
それから１週間後…
病院から連絡があり、家族に同行してもらって来院してほしいといわれ、６年前のあの日の事を思い出した。
母さんはその連絡だけで体調を崩してしまい、結局父さんと２人で病院へ…
診察室に入った時の先生の表情を見て、どんな宣告をしようとしているのかが読み取れた。
Ｄ「あらゆる検査の結果、胃に直径4cm大の腫瘍を発見し病理検査を行ったところステージ４のスキルス性の胃がんだという事が判明しました。」
やっぱりそうか…
日々の忙しさに追われていたから、この不快感・食欲不振という症状が出ているものだと思っていた…いや、そう思いたかった。
どこかで、再発という言葉におびえていたからこそ、病院に行くことが怖かった。
SM父「それで先生、どのような治療を…」
何も言えない俺の代わりに父さんが先生に訊いてくれた。
すると先生が少し言いづらそうに
Ｄ「大変申し上げにくいのですが、聖都さんのスキルス性胃がんという病気はとても進行が早く、大変治療が困難になります。
聖都さんの場合も年齢も若くより進行が早いため、すでにリンパ節にも転移が見受けられますので、外科的処置は残念ながらできない状況です。
放射線治療を行いながら、延命治療に全力を尽くしていくという方向になるかと…」
もうダメなんだ…
病院から家族同伴でと言われた時から、ある程度覚悟はしてきたつもりだったけど…
やっぱりこの宣告は俺にとって簡単に受け入れられるものではなかった。
そして先生の言葉はさらに続く…
Ｄ「このまま治療を行わなければ、聖都さんの余命は半年余りかと…あくまでも統計的に見た数値ですので、必ずしもという事ではありません。
この先の治療方針は一旦帰宅され、ご家族とよく話をした上でご判断いただければと思います。」
そういうと先生は軽く頭を下げられた。
診察室から出た俺は、そのまま待合室の椅子に座り込む。
そんな俺に向かって父さんが、
SM父「母さんも心配してる…一旦、帰ろう。」
そう一言いうと俺の肩に手をかけた。
「半年…どうやって生きたらいいのかな？」
息を吐くようにつぶやいた俺は、全身の力が全て抜けてしまったように思えた。
自分なりの最期 聖都・ラウールside→←君しかいない… 大介・（人8）side
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りえ(プロフ) - カカオ砂糖さん» ご指摘ありがとうございます。 (1月13日 13時) (
レス) id: fa9cfabba3 (このIDを非表示/違反報告)
カカオ砂糖(プロフ) - あの…オリジナル作品のタグが付いてます…。 (1月13日 8時) (レス) id: 61b8287146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みっきーまま
| 作成日時：2023年12月25日 21時
