9人のナイトに愛された天使たち－4章－ (ページ17)

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聖都の覚悟　大介side ページ17

佐久間家恒例の家族揃っての初詣の行く途中、俺の携帯に聖都から連絡が入る。

行先方向が一緒という事で、比較的早く駆けつけることができた。

駆けつける途中、俺の頭の中は嫌な予感しかしなくて…

寝てろって言ったのは俺なのに、病院に着いて声をかけても起きようとしない聖都を目の前にかなり焦る。

でも処置室へ運ばれて点滴を打たれてからの聖都の顔色が少し戻り、息遣いも落ち着いてきて俺の焦りは少しずつ解消されつつあった。

その時、やっと聖都が目を開けた。

「聖都、ダイジョブか？」

SM「あ〜、ありがとう。急に悪かった。」

「何言ってんだよ。お前のあの死にそうな顔…生きた心地がしなかったよ。」

SM「ちょっと疲れが溜まってただけだよ。」

「そうは見えなかったけどなっ。あっ、先生がなるべく早い時期に検査の予約を入れてくれって言ってた…」

SM「わかった、来週の台湾出張から戻ったら早々に予約入れるよ。」

「いや、出張より検査優先だろっ…」

SM「でも…」

「体の方だろっ！」

病院の処置室だというのに、つい気持ちが前に出てしまい、語尾が大きくなってしまう。

その場にいた全ての人の視線を集めてしまい、ぺこぺこと頭を下げまくった。

そんな俺をみて聖都が笑った。

その表情にホッとした気持ちと、心配な気持ちが交錯している。

「そういえばAちゃんはどうした？」

SM「タクシーで帰ってもらったよ。久しぶりのデートだったのに、かわいそうな思いをさせちゃったよ。」

「Aちゃんのことだから、すごく心配してるよ。連絡は？」

SM「点滴が終わったら、すぐにするよ。」

「それよりAちゃんに病気の事、話してるのか？」

SM「いや、話してない。心配させちゃうからなっ。」

「でも、もし病気がまた再発したら、、、」

SM「もし再発してその結果が芳しくないものだったら…」

「だったらなんだよ。」

SM「別れるよ。Aの悲しむ顔は見たくないよ…」

咄嗟に返す言葉を必死で探すけど、何も言えなくなる。

SM「そんな顔するなよ。まだ結果が出た訳じゃないんだからさっ(笑)」

確かに聖都の言う通りだ。

「そうだなっ。ちゃんと薬も飲んでるんだろっ？
だったら大丈夫だよ。」

SM「まっ、忙し過ぎて飲み忘れる事も多いけどなっ(笑)」

怖い事言うなよ、もし再発したら…そう言いかけて、俺はその言葉を飲み込んだ。

言霊の力がもし聖都に及んでしまったら、そう思うと怖くてまた何も言えなくなった。