9人のナイトに愛された天使たち－4章－ (ページ11)

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３年後(1)…　ページ11

あのクリスマス会から３年…私たちは大学４年生

就職を来年に控えた私たち、学生生活最後の冬休みを３人だけで楽しむべく旅行を計画していた。

提案してくれたのが菜緒…

菜緒「来年からは社会人でしょ…こうやって集まれることも少なくなるわけだから、卒業旅行にでも行かない？」

菜緒は就活解禁当初から気合入れて色んな企業にエントリシートを送っていたので、なんとこのご時世に内定を13社ももらって、大本命だったスポーツメーカーＭ社に行くことに決めた。

ちなみに岩本さんとはいまだに交際を続けていて、今では両方の家族も公認の仲。

凛「そうだね…就職先も決まって一安心したところだし、ゆっくりしたいよね。
このところ、内定者懇親会みたいなのが多くて、なんかずっと気を張ってたから、温泉とか行ってひたすらボ～っとしたい。」

凛もあの容姿と人当たりの良さで内定10社のツワモノ。その中から、将来イラストを仕事にできるかもしれない分野があるＳ出版に…

「２人みたいに就活がうまくいかなくて、かなり苦戦したけど、なんとか社会人になれそうで安心したよ。私も凛と同じく、温泉に１票!!」

私はといえば、企業の中でカウンセラー的な職場のある会社が希望だったけど、２人みたいにうまくはいかず、化粧品会社の中堅どころであるＣ社からの内定をやっともらえたところだった。

菜緒「そうだね…ちょっと奮発して箱根辺りのいい宿に泊まっちゃう？」

凛「それ、いいね。この間大ちゃんと草津に行ってきたばかりだから、箱根温泉…行ってみたい！」

菜緒「私はひーくんの家族と一緒に夏に有馬温泉に行ってきたんだけど、１日に３回も若菜ちゃんと入って、ちょっと湯あたりしちゃった。」

「菜緒、あの時のお土産って、岩本さんちの家族旅行に同行してたの？」

菜緒「うん、お母さんからいっしょにどう？って誘ってもらって…ひーくんはちょっとご機嫌斜めだったけどね(笑)」

ってことは将来を見据えてるって事？

凛「岩本さんは菜緒と２人だけでいきたかったんじゃない…可哀そう(笑)」

２人とも、３年もたったのに相変わらずラブラブだねっ…

それにくらべて私と聖都は、このところ聖都が忙しすぎてなかなか会えない状態…

「いいなっ…私なんて、このところ聖都と会えても食事を軽くするくらいで、旅行なんて全然いけてないよ。羨ましいなっ」

って２人しか言えない本音がこぼれた年末だった。